協力隊員の経済事情
青年海外協力隊は、言うまでもなくボランティアです。
が、一応(と言ったら怒られるな。立派に、か)国の事業の一環なので。
渡航費はもちろん国負担だし、生活費も支給されます。
※ちなみに住居は派遣先やJICA事務所が用意するので、生活費には含まれません。
他にもいくつか手当があったりしますが、今回は生活費に限定して書きます。
そういう意味では、震災のときなどに活躍した民間ボランティア(通常は手弁当で、交通費なんて当然出ないし、宿泊やご飯があったらラッキー)とは、同じ「ボランティア」という単語が使われますが、かなり性格が異なると言えるかもしれません。
生活費の支給額は、時代や派遣国によって異なるので一概には言えませんが、比較的生活費が高い首都などの大都市でも、ふつうに生活するのに困ることはないくらいです。
10年前のタンザニアではUSD350/月くらいだったと思います。
これ、当時の現地人の感覚的には35万円くらいでした。
勤め先の学校の校長先生ほどはもらってないけど、教頭先生とほぼ同額という感じ。
手取りで35万って、日本でもそうそうもらえないくらいの額ですよね。
当然ながら生活にはまったく困りませんでした。
今、サモアではUSD450/月(≒WST1,300)が支給されています。
現地の感覚的には13万円くらいかな?
タンザニアほどではありませんが、やっぱりふつうに生活するには困りません。
国や時代・都市によっては、かなり節約生活しないと厳しい、なんてこともあるようですが、たいていの場合は楽勝です。
都市で一人暮らしでも余裕があるくらいなので、地方でホームステイだったりするとお金がほとんど必要ないこともあり、それなりの額が貯金できてしまいます。
実際、「2年で~万円貯金した!」なんて誇らしげに帰国する隊員もいます。
...と書くと「税金の無駄遣い!」なんて憤る方もいるかと。
が、JICAとしては、お金を惜しんでタクシーを使わなかったために犯罪に遭った、なんて事態は絶対に避けなければいけないので。
各国の額が適切かはさておき、ある程度の額を支給する必要があることはご理解ください。
個人的には「支給された生活費は、全額を派遣国で消費するべき」と考えています。
ま、蓄財して帰国する人を否定するつもりもありませんが、財源はあくまで税金であり、途上国支援のために支給されているので。
個人のものにするのではなく、途上国に落としてこそ、活きたお金になるのかな、と。
そういう意味では、なるべく外資ではなく、ローカルの人たちに直接払いたい。
でも意外と難しいんですよね...。
例えば、市場で1,000円分使おうと思うと、両手でやっと持てるくらいの、大量の野菜や果物が買えてしまいます。
でもホテルとかスーパー(いずれも外国人経営)でご飯とか買い物すれば、1,000円や2,000円なんて簡単に使えてしまう...。
※ローカルビールを校門前の売店で毎日買うのを正当化している訳ではありません。笑
何にせよ、活動費はなるべく地元民に還元するよう全額使う!と。
それが私のポリシーです。
で、住むこと3ヶ月。
それなりに使ってきたつもりですが、やや多めの額が残っています。
ということで、買ってしまいました。
電子レンジ&炊飯器!
いずれもNecessitiesなる、NZのリーズナブルブランド(らしい)。
電子レンジ295WST(≒1.3万円)、炊飯器60WST(≒2,700円)と、それぞれNZ価格の倍くらいですが、サモアでは格安です。
輸入の船代と便利税と思って許容しました。笑
ちなみに、タンザニア時代は電子レンジなし生活でした。
売られていたし、買えない値段でもないし、電気も割と安定していたのですが。
「周りの現地人はほとんど持っていなかったから」です。
炊飯器もなかったし、炊事には灯油クッカー(登山で使うような)とか、炭を熾してました(おかげで今も火熾し得意です)。
青年海外協力隊の良さ・強みは、「現地人の中に入り、近い生活をする」ことにあると思っているので...。
が、今のサモアでは電子レンジも炊飯器も一般的です。
村ステイの家庭は大マタイなので特別かもしれませんが、首都アピアでは大家も隣人も持っているし、大学のスタッフルームにもあるくらいなので。
贅沢品という訳ではないだろう、と。
さっそく電子レンジを使ってみました。
「チーン」とベルが鳴る、昔懐かしい感じですが、一気に生活が現代的・文化的に!
テクノロジーって素晴らしい!!笑