Notes in Apia

常夏の島サモアで暮らす、青年海外協力隊員の覚え書き

サモアの時が止まるとき

サモア人の大半は、割と敬虔なキリスト教徒です。

というのは何度か書いてますが。

宗派の内訳については、色んな数字があって、どれが本当か分かりません。

統計が信用できないのは、途上国あるあるですね。笑

 

ただ、ひとつ言えるのは、プロテスタントカソリック

これは多分どの数字にも矛盾しないし、誰も異論ないかと。

 

でもプロテスタント系にも色々です。

その中でも「会衆派教会が最大」というのが真実っぽい。

...って、「会衆派」とか言われても、よく分からなかったんですが。汗

Wikipediaには

「各個教会の教会政治において、会衆制とよばれる教会員の直接民主制に近い制度を採ることが特徴で、各個教会の独立自治を極めて重視する。」

って書いてあり、これが決め手になりました。

 

というのも、サモアはnu'uが非常に大切で。

nu'uはvillageと訳されるので、「村」と言うのが簡単ですが、田舎というニュアンスはなく、30~50世帯くらいの自治体を意味します。

この村ごとにマタイと呼ばれる首長(いわゆる酋長)がいて、村においては絶大な権力を持ちます。

マタイ会議で決まることは、その村の掟になりますし、賞罰や相互扶助において中心的な役割も果たします。

ちなみに国家元首も古い大マタイ4家族の血筋から選ばれるくらいで、昔ながらの地方自治が今も深く息づき、機能しています。

 

...となると、会衆派の「各個教会の独立自治を極めて重視する」というスタンスはピッタリ!

たいてい、教会は村にひとつで、村の人は大体みんな同じ教会に行くし。

しかも調べると、そもそもサモアに最初に来た宣教師が会衆派だったようで。

会衆派が最大派閥だと考えると、いろいろ腑に落ちます。

 

↓子供たちの部@村の教会。

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自治重視な会衆派なので、特有の教義や決まりは当然ないようですが。

サモアでは、朝晩のお祈り&歌、朝食・夕食前のお祈り、日曜朝の礼拝あたりは、かなり一般的なようです。

私の家は、マタイの家と隣接しているので、子供たちが声を張り上げて歌う聖歌が毎日聞こえてきます。

 

そして忘れてはいけないのは、日曜日の特別さ。

安息日なので、基本すべての店が休みですし、アルコールはご法度。販売は違法です。

外国人とはいえ、一応、私も見られないように家の中で飲みます。

村によっては、走る、泳ぐ等もNGだとか。

教会音楽以外は大きい音もNGらしいので、日曜は個人的にアコギ&パンデイロ禁止。ヘッドフォンしてエレキだけです。

 

以上に加えて、もうひとつ大切なサモア文化=昼寝。

赴任当初、サモア人は朝早く、夜も遅いので、どうしているのかと思いましたが。

シンプルに「昼寝」が正解でした。

これは暑い土地あるあるかもしれませんが、昼間は暑くて何もしたくないんです。

なので、お昼を食べたら、みんな寝ます。 ...食べすぎで眠いって説も。笑

市場でも陳列台の上(!)とか下で、工事してる人も日陰で、オフィスでも座ったまま寝ます。

街の露天商だって、商品テーブルの下で寝てたりします。

前にもチラッと書きましたが、アスファルトの上とか、どう考えても硬くて体痛くなるだろ!?って場所でも平気で寝るんです。

分厚い肉がクッション代わりなんでしょうか?笑

 

...ということで、日曜はこれらが重なって、14~15時前後に村が止まります。

朝から教会に行って、帰ってきてトオナイをお腹いっぱい食べて。

安息日だし、みんなで昼寝、と。

SF映画みたいに、急に誰もいなくなったんじゃないか?って錯覚するくらい。

...いびきが聞こえなければ。笑