Notes in Apia

常夏の島サモアで暮らす、青年海外協力隊員の覚え書き

青年海外協力隊の本当の目的

昨日は帰国隊員4名の報告会&送別会でした。

内2名はサバイイ島の小学校教諭。

サモアは、首都のあるウポル島に人口のほとんどが住んでいて、面積はサバイイ島のほうが大きいですが、人口比は約8:2です。

 

以前も書きましたが、教育系のボランティアは、どこの国も田舎や僻地に派遣されることが多いです。

というのも、その国の教員たちが行きたがらないから。

首都では先生が余るくらいなのに、地方では教員不足だからボランティアが入る、という構図です。

国際協力ってそれでいいの?なんて考えてしまいますが、それが現実です。

 

田舎の生活はのんびりしていますが、その国の文化がより色濃く反映されます。

つまり、その国の真髄を楽しめる一方、文化的な摩擦や感覚の違いも格段に大きくなります。

さらにサモアの場合、地方隊員はホームステイなので尚更です。

話を聞いて想像するだけでも、本当に過酷で大変な生活だったことが伺えます。

 

ということで、この2名の発表は特に、涙を交えたものになりました。

ステイ先の家族と離れる寂しさ、

勤務先の教員との意識の違いに対する怒り、

生徒たちからの信頼に対する喜び、etc.etc.

発表する中でたくさんのことを思い出し、きっと色々な感情があふれた故の涙だったんだと思います。

 

それだけ真剣にサモアに相対したんだなぁと思って、ハッとさせられました。

私は2回目の協力隊だからか、年を取ったからなのか、そこまで怒ったり悲しんだりしていません。

サモアがこうだったらいいのに」「こうすればいいのに」は、日々たくさん思います。

でもそれをサモア人が望まないならそれでいいよね、と、諦めていると言うか。

だから特に感情を大きく動かされることもない。

ある種、割り切ってしまっていることを実感しました。

 

もちろん、どちらが正解という話ではありません。

が、若い隊員の純粋な思いやパワーを感じて、「これこそ協力隊だよな」と思ったのは事実。

別の帰国隊員も言っていましたが、「喜怒哀楽の波が人生で一番激しかった2年間」なんでしょう。

それは真剣に取り組んだが故の感情であり、だからこそ協力隊の経験は、きっと彼らの人生において大きな糧になるはずです。

 

...って、超上から目線ですが、実際私にとっても1回目の協力隊経験は非常に大きな糧になったと感じます。

 

青年海外協力隊の目的は、表向き「途上国を援助する」ですが、本当の第一義は「日本の若者を育てる」なんじゃないかと、真剣に思います。