Notes in Apia

常夏の島サモアで暮らす、青年海外協力隊員の覚え書き

デング疑惑

先週...じゃないか、8日前の日曜日。

※前回ブログの報告会&送別会の翌々日です

朝、わりとすっきり目が覚めると、きれいに晴れてて。

「今日は洗濯して、買い物しに街まで歩いて下りて~」なんて考えつつ、朝ごはん。

 

...と、なんかダルい。

洗濯して干して、なんて間に悪化して、「やっぱり家でゆっくりだな」と。

ボーッと本読んだり、ムービー見て、でもお昼になってもお腹が空かない。

どころか、めちゃくちゃダルい。

もう体を起こしてるのが辛いくらい...。

 

あれ?おかしいなー、目覚めは良かったのに。ちょっと寝るか。

でも念のため、体温測っとく?

と思ったら...39.5℃。orz

 

...えーと。

暑い途上国で40℃近い熱が出たら、マラリアデング熱です。

最近はジカ熱もあるし、西ナイル熱とか、場所によってレアな地方病もありますが。

まぁでも真っ先に疑うのはどちらかでしょう。

で、サモアマラリアがない(原虫を媒介する蚊がいない)ので、デングです。

 

以前もチラッと書きましたが、マラリアは致死率が高いとは言え、最近いい予防薬ができたので、ここ何年かで隊員の罹患率は大幅に下がったそうです。

また罹ったとしても、抗マラリア薬もあるので、放置しない限り死ぬことはまずありません。

自分で採血してマラリアかどうかチェックできる、簡易キットもあります。

 

一方、デングは元々めったなことでは死なない病気です。

そのせいか、抗ウィルス薬も予防薬も開発されておらず、罹ったら「ひたすら水分摂って安静」しか手段がありません。

ということで、最近ではある意味マラリアより性質が悪いです...。

 

参ったなぁ、と思いつつ、寝込むこと2日。

その間、まったく食欲が湧かず、ひたすら水分を摂って寝るだけ。

でも体温は測るたび、39.4~6℃で変化なし。

 

ちなみに、マラリアやデングの可能性があるときは、アセトアミノフェン以外の解熱剤を飲んではいけません。

ロキソニンがよく効くから、なんて軽い気持ちで飲むと、逆に超悪化します。

ということで、飲めるのはタイレノールとかカロナールですが(日本)。

※海外ではパナドール、パラセタモール。

アセトアミノフェンって、日本では基本的に小児用?で、空腹でも飲める代わりに、効果が低いんですよねー。

今回は飲んでもせいぜい1℃しか下がらず、一度しか飲んでません。

 

火曜日になってチェックしても、デングに特徴的な発疹、目の充血、悪寒もなし。

ただただ高熱でフラフラして、頭と体中が痛い。

で、さすがにここでJICAに報告。

 

通常、JICA事務所には「健康管理員」という、看護師などの資格をちゃんと持った医療専門スタッフがいて、こういうときに助けてくれます。

が、サモアはフィジー事務所の「支所」扱いなので、健康管理員はいません。

ふつうは大使館にも医療系スタッフがいますが、小所帯で開所したばかりのサモアにはいません。汗

まぁ逆に言えば、それだけ平和で安全という意味でもあります。

...きっと。

 

ということで、ボランティア調整員に電話しましたが。

曰く、サモア中で高熱が出る風邪が流行っていて、隊員も何人もやられている&調整員自身もやられて、復帰したばかり、とのこと。

...報告会&送別会で一気に蔓延したか??

 

一応、予約を入れてもらって病院へ。

こんなときにサモアのタクシー文化はとても楽です。安いし。

病院と言っても、女医さんと看護婦さん1人ずつの診療所ですが。

...で、やっぱり流行り風邪だ、と。

抗生剤と解熱剤、咳止めシロップが処方され、「水いっぱい飲んで寝ろ」だって。

風邪ひいたときはどこの国でも同じですね。笑

 

抗生剤はAugmentin。

日本では処方されたことがない気がしますが、今回は合ってなかったんじゃ。

飲み始めて48時間経っても、役に立った気がしない...。

結局、木曜まで4日間、39度台の熱は続き、金曜にようやく体を起こしていられるように。

 

その間、体の全機能が停止したかのように、まっっったく食欲がわかず、お腹も空かず。

たまに目が覚めると、ただひたすら湯冷ましを飲み、薬を飲むためだけにバナナを食べて。

結果、すっかり病気ダイエットしました。苦笑

 

 

土曜日、ようやく起き出して、たまたま庭で会った大家と話してたら。

「ドクターに見てもらった?」

「あ、もう病院行ったよ。薬も処方してもらって、今はだいぶ復活だわ」

「いや、ウチの娘婿、ドクターだからさ、今度から診てもらうといいよ」だって!

その夕方、さっそく家まで聴診器持って来てくれました。

 

さすがに娘婿の職業までは知りませんでしたが、灯台下暗しですね。

丸々一週間死にかけましたが、今度(...があったら嫌だけど)からは、ますます安心です。