Notes in Apia

常夏の島サモアで暮らす、青年海外協力隊員の覚え書き

とは言っても「学歴フィルタ」は存在する

昨日、「学歴を気にするなんてくだらない」って話を書きましたが。

今日はその続き。

とは言え、学歴フィルタって実際にあるよねって話です。

 それはなんでなの?

 じゃ、どうしたらいい?

って辺りを考えてみます。

 

最近はだいぶ減ってきたのかもしれませんが。

それでも現在の日本で就職・転職しようとすると、いまだに学歴って大きかったり。

協力隊には、職を辞して参加する人や新卒も多いので、他人事ではありません。

 

なんで採用担当は学歴を重要視するの?

昨日「学歴と人間力にはまったく相関がない」と書きました。

心底そう思ってます。

が!

そんな私でも、もし人事で採用担当だったら学歴フィルタ使います、きっと。

なぜか。

それは大きく分けて2つ理由があります。

 

「いい人」を採用する訳じゃない

一つ目は、会社が欲しい人材とは?ってことです。

会社員としての資質があるのと、人間性が良いことは、同じじゃありません。

企業は「社員として使いやすい」とか、「結果を出しそう」な人材を採りたい。

となると。

学歴が高い人っていうのは「高い目標を定め、それを実現する」能力が高そう。

多分、割と若いうちから、そうしてきた結果として「学歴が高い」訳ですから。

言葉を換えると「社会の仕組みをいち早く理解して、そこに適応してきた」感じ。

それって良い/悪いじゃなくて、会社って組織にも馴染みやすいんですよ。

人間的にはつまらない奴かもしれないけど。

それでも「サラリーマンとして、より大きな利益を産みそう」ってことです。

 

全員を細かく見てられない

二つ目は...身も蓋もないですが。

応募者全員の詳細なんて、とても見られないってことです。

だから選考の最初のほうは、(学歴に限らず)何らかのフィルタを使う、と。

 

1人を採用するのに5人の応募、くらいの規模ならフィルタなんて要りません。

が!100人を採用するのに500人の応募だったら?

企業によっては、書類選考の時点では5倍なんかじゃきかないですよね。

そうなると、ある程度は自動的に振り分ける必要があります。

もちろん、それですごく優秀な人材が落ちてしまう可能性はあります。

上にも

> 学歴が高い人っていうのは「高い目標を定め、それを実現する」能力が高そう。

なんて書きましたが。

あくまで「相関がありそう」なだけなんです。

確率論として「学歴が高い→優秀な会社員になりそう」な可能性が高い、と。

確実性はないけど、効率を考えてフィルタリングという手段を選ばざるを得ない。

 

職種によっては「TOEIC××点以上」とか、そういうフィルタもあるかと。

TOEICは受けたことないけど、英語めちゃできます!なんて人もいるかもしれない。

でも、とりあえず「TOEIC××点以上」でフィルタリングしとく。

なぜなら「確率としては、そっちのほうが英語できる可能性が高い」から。

そのほうが断然効率が良いから。

...ま、厳しいようですが、当たり前の話です。

 

学歴が低かったらどうしたらいいの?

個人的には...

「学歴フィルタ使うような会社、こっちから願い下げだよ!」

と思います。

そもそも、そんな企業に魅力を感じないですよねー。そんな会社で働きたくない。

って、上で書いてることと矛盾するようですが。笑

 

ま、それもあるんですが、もうちょっと現実的に考えると...

 

他で輝く

学歴以外のアピールポイントを磨くのは有効かと。

って、学歴だけで一律に門前払いされちゃう場合はNGですが。

 そんな会社に入りたい? ...って、ループしちゃうな。笑

たとえば、海外に強い企業ならTOEICとかIELTSのスコア上げとくとか。

超当たり前のようですが、「その会社が欲しそうな能力を持つ&アピールする」。

でもここを勘違いしてる学生さん、めちゃくちゃ多いです。

 

たとえば私の勤める会社、楽器メーカーですが。

会社説明会とかで就活生と話すると、

「小さいころからピアノをやってて」

「音楽が好きで、ないと生きていけないくらいで」etc.

もう口を開けば、みーーーんなそんな類のことを言います。

いや、そんな人、掃いて捨てるほどいるから。ホントに。

全っ然アピールになってないですよ...。

 

ダメですよ、バイク/自動車メーカーで「御社のバイクにずっと乗ってて」とか。

基本、社内はそんな人ばっかりですよ!

そのメーカーの超オタク!TVチャンピオンで優勝するんじゃね?くらいのレベルの人なら言ってもいいかも、くらい。

採用担当としては、何度も何度も嫌になるほど聞いてるはずで。

まったく響かないどころか、心の中では「またかよ...」なんて思うかもしれません。

 

じゃ、何をアピールするの?って言うと。

その会社が新しく始めた技術とかビジネスとか。

そこにこういう能力で貢献できます!なんてのはいいかもしれません。

少なくとも採用担当の耳触りはいい。

ちゃんとウチのこと調べてるな、って伝わるし。

...いや、もちろん採る側からしたらミエミエなんですが。笑

「会社のニーズを調査して自分を売り込む」ことはできる、と思ってもらえます。

これ、「会社員として優秀になりそう」なポイントのひとつです。

「市場なり顧客のニーズやウォンツを調査して、モノやサービスを売る」

これがビジネスの基本なんで。

就職も同じで、「入りたい企業が欲しい人材を調査して、自分を売り込む」のが重要。

 

あとは、バイトや留学、ボランティアなんかをするのでも。

「なぜそれを選んだか」「何を得たか/どんな結果を出したか」ってストーリーをちゃんと話せるといいかも。

もちろん、「欲しい人材」に繋がってないと意味がないですが。

たとえば「海が好きで、毎年海の家でバイトしてました」「1年目は何も考えられなかったけど、2年目から××って工夫を提案して、3年目には売り上げが○倍になりました!」とか?

そんな話を商社に持ってたら、それなりにウケそう。

...いや、もちろん、間違いなくミエミエなんですが。笑

 

学歴を上書きする

どうしても学歴が必要だったり欲しかったりする場合。

上書きするって手もあります。

 いや、詐称とか悪いことしようって話じゃなく。笑

「大学院に進学する」のもいいかと。

大学で入るのは難しい学校も、院なら割と簡単に入れたりしますから。

2年で学歴が上書きできて、就職(≒待遇)も良くなるので、全然ありです。

奨学金とか借金しても、十分バランスすると思います。

特に、学歴コンプの人。

生コンプレックスを抱えるくらいなら上書きしちゃえば?と。

 

最後に

「学歴と人間力にはまったく相関がない」

これは紛うことなき真実です。

また、「企業はいい人を採用するわけじゃない」のも、多分間違いなく真実。

就活で落とされるからと言って、人としての価値が低いわけではありません。

単純に、今の日本の企業が求める人材じゃないだけ。

もしかすると逆に、むしろ真っ当な人間ってことの証明なのかもしれません。

 

就活が嫌になったら、協力隊参加。

意外といいかもしれません。

2年間、途上国でボランティアすると、きっと違うものが見えてくるかと。

新卒で参加する人もたくさんいますしねー。

終わったらJICAが就職斡旋してくれますし。

 

私が経営者、もしくは権力のある採用担当なら。

「協力隊経験者は問答無用で1次選考パス!」です。

いや、ホントに。

「うまくいかないのが当たり前の環境で何とかする」ことを2年も経験するのは本当に貴重です。

 

...って、相変わらず、なんてオチだ。笑

 

 

↓こんな記事も見つけました。割と似たようなこと書いてる。