博物館の企画展オープン!で、改めてサモアの国民性を感じる
ブログの更新が滞ってますが。汗
その要因の内、小さなひとつが終わりました!
このブログに度々登場している、同期の歌姫。
彼女の企画展がついに!開催されました!!
実はこの企画展をちょっとだけ手伝っていたのです。
私は少しサポートしただけですが、苦労話も散々聞いているだけに感無量です。涙
活動を手伝う中で感じた、サモア人の国民性についてまとめてみます。
基本、働きたくない
いきなりですが。
まぁ世界的に大半の人は「働きたくない」のかもしれません。笑
が、特に省庁に勤める公務員はその傾向が顕著な気がします。
※サモア国立博物館はMESC(Ministry of Education, Sports and Culture:日本で言う文科省)に属してます。
まず頼まれたのが、別の展示室にあるプロジェクタや電気配線の移設なんですが。
2人で施設課にはしごを借りに行って。
展示室に立てて、天吊りしてあるプロジェクタ&電気配線を外し。
で、はしごを返しに行く、と。
...やるのはいいけど、日本人じゃないとできない仕事じゃないよね?
なんでサモア人スタッフがやらないの?
と聞いたところ。
まず、博物館スタッフは全員女性で、かつ体型がタップリしてらっしゃるので。笑
そりゃはしごに登って高所作業なんて無理。
また、施設課などに頼もうにも「組織が縦割りすぎてイチイチ上職経由で依頼を出さなきゃいけない上、部署どうしの仲も悪くて連携がとれないから、依頼を出したところでなかなか動いてくれない」だそうで。
もちろん、個人的にお願いしても動いてくれるはずがありません。
...じゃ、私に頼むのが一番早いね、と。
納得。笑
なんでもギリギリ
企画展のオープン日が近づくにつれ、私が博物館を訪れる頻度も増えましたが。
全然準備が進んでいかない!
途上国に慣れた私でも、ホントに予定通りに開催できるの?と不安になるくらい。
必要な資材が一週間前になっても届かなかったり。
展示物に添えるキャプションがオープン前日にようやく印刷に回ったり。
映像展示なんてオープン当日、しかも1時間前!に出来上がってきたり。
チェックしたら修正が必要だったりするかも、なんて考えはまったくありません...。
さすがにオープン前日は、サモア人も22時前まで残業しましたが。
展示室内の仕事は、ほぼ日本人(本人と手伝いに来た隊員2人&私)だけ。
↓オープン前夜にして、この状態。なのになんで日本人しかいないんだ!?
元々の展示物を外したり、ケースの中身を変更したり。
新しい展示のために、配線を引いたり、布を貼ったり。
サモア人スタッフが誰もやらないので、なんと我々がやりました。
学芸員気分を味わえて、けっこう楽しかったですが。笑
そんな超絶にバタバタしているオープン前日の夕方、なんと展示室の鍵をインキー!驚
スペアキーもなくて、慌ててナイフでこじ開けようとしたり...。
いやいや、そんなんで開いちゃったら、そっちのほうが問題でしょ!?
結局、施設課のスタッフが鍵を壊して開けたんですが...
オープン前日の夕方に起きること!?
さすがにちょっと信じられませんでした。
専門性やプロ意識なんて(ほぼ)ない
これを読む人の中には
「サモアに来て1年半経って、ようやく初の企画展?遅くない?」
なんて思う人もいるかもしれません。
が!
サモア国立博物館のサモア人スタッフ、実は全員(と言っても3人だけ)シロウトです。
というか、「学芸員」という概念自体がサモアにないと言っても過言じゃありません。
ふつうにMESC(日本で言う文科省)のスタッフとして雇われて。
たまたま配属先が博物館になっただけ。
そりゃ専門性もプロ意識もあるはずがありません。
そんな中、隊員が一人で頑張って企画展を開催しただけで本当にすごいことです!
正直に言ってしまえば、サモアの職業すべてにおいて、大なり小なりそんな感じ。
先の施設課のスタッフも、鍵を壊して開けるのに、どう考えてもそこじゃない!ってところにマイナスドライバーを突っ込んでハンマーでガンガン叩く叩く。
結果として開けばいい、というだけで、なるべく損傷なく開けようとか、早く開けようとか、翌日オープンとか、そんな意識もノウハウもありません。
オープンセレモニーで来た音響さんも同様。
レベル合わせもEQ補正もまったくせず。
ただマイクとかスピーカーとか持ってきて繋いだだけ。
音楽を爆音でかけて喜んでましたが、肝心のスピーチはほぼ生声。
来てる意味がほとんどありません...。
NUS(サモア国立大学)の施設課も、電気担当がACとDCを直接繋ごうとしたりするしなぁ。
どう贔屓目で見ても、「日本のバイト君」のほうが意識も知識も実務も数段上です...。
+10分と-10分の国民性
かなりドタバタしながらも迎えたオープン当日。
15時からオープンセレモニーがありました。
大使館やJICA、学期休み中の教員隊員など、日本人もたくさん来ました。
って、セレモニーの10分前に集まって着席していたのは、7割くらいが日本人で。
サモア人は、セレモニーが始まって10分後くらいから三々五々集まって。
終わり近くになって、ようやく日本人の人数を超えたくらい。笑
日本は世界の中でも時間に正確と言われますが。
本当に見事に体現していたイベントでした。
↓何とか形になった!ホントにギリギリ直前までバタバタだったけど!笑
歌って踊って幸せ!
今回の企画展の中心は「サモアの伝統舞踊」。
ということで、サモア人教員が組織するダンスチームがパフォーマンスしたんですが。
待ちきれないのか、偉いさんが自分のあいさつのときに、急に歌いだし&踊りだす!
ダンスチームの後も、自然発生的に歌が始まって、来客たちがみんな踊る!!
足腰立たないようなおじいちゃん、おばあちゃんも、みんな一緒に。
↓まずは年配の人たちから。こんなの序の口。笑
で、それを見てて感じました。
サモア人は歌ったり踊ったりが大好きです。
誰かのを見てるときより、自分が歌ったり踊ってるときが本当に楽しそう&幸せそう。
それを見てると、憎めないと言うかなんと言うか。笑
苦労も忘れて、無条件で「やっぱりサモアっていいなぁ」とか思っちゃったりします。
日本の感覚で評価してしまえば「使えない」「不真面目」「プロ意識や責任感がない」ってことになります。
が、それを補って余りある?罪のなさと底抜けの明るさは、日本人が失ったもののようにも感じました。