Notes in Apia

常夏の島サモアで暮らす、青年海外協力隊員の覚え書き

トンガ3日目「クジラと海へ還る日」

昨日は無事に駅伝を走り切りました!

...と言っても、大失態もあったのですが。orz

それはまた後日。

今日はトンガ3日目、クジラと初めて泳いだ話です。

 

ご予約はお早めに

ダイバーには周知の事実ですが、トンガはクジラ(種類的にはザトウクジラ)と泳げる、数少ない国のひとつです。

しかも、ここまでクジラに近づける国は他にはないとも言われています。

首都があるトンガタプ島からも船は出ているようですが、ババウ島がメッカ!

そして8月末はまさしくシーズンど真ん中!!

ということで、ババウ島の中心地ネイアフは小さな小さな町ですが、この時期、世界中から観光客が集まります。

大事な観光資源ということもあってか、ホエールスイムを実施できる業者は限られていて。

かなり厳格なルールが定められているそうです。

例えばクジラを一度に見に行くのはガイドを除いて4人まで、とか。

つまり、業者(≒船の数)も、一度に見に行ける人数も限られているので、事前予約は必須です。

もちろん宿も条件のいいところからどんどん埋まっていきます。

私はトップシーズン真っ只中に行く計画だったので、去年の内から予約していたくらい。

 

が!

同じ船に乗った人によると「無理だろうな、と思ったけど、一人ならいいよって感じで乗れた」そうです。

レアですが当日キャンセルもいるし、6人乗せて3人ずつ2チームに分けて見に行く、とかするので、意外といけるかも?

...ま、もちろん早めに予約しておくに越したことはありません(当たり前ですが)

↓港からして、この透明度!中央に写る船にゲスト5人で乗りました。

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↓ウニがたくさん!!NZを思い出すなぁ。笑

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意外にも...

ショップに聞いた集合時間は7:15。

正直「ずいぶん刻んでくるな...。どうせ南国時間だろ?」なんて思ってました。

タンザニアでもサモアでも、細かい時間を言ってくるくせに実際には平気で30分遅れたり、みたいな。

が!

なんと、ゲストが来ようが来まいが、7:30出航!は全日程ともほぼ厳守でした。

というのも、遅い時間になればなるほどクジラと遭えなくなるとか。

生き物が相手なので、こちらが合わせて当然と言えば当然です。

なので絶っ対遅れないほうがいいです!

ま、日本人なら大丈夫だと思いますが...。

 

インターバル・トレーニング

この日のホエールスイムは、主にヒートランを追いかけました。

電気エンジニア業界でヒートランと言えば、新品の機器のエージングを指しますが...もちろん違います。笑

メスのクジラを複数のオスが争って追いかけることです。

魅力あるオスが子孫を残せる、これはきっとどんな生き物にも共通するルールなんでしょう。

 

ネイアフから南西に船が出ていくと、割とすぐにクジラのブロウ(呼吸の潮吹き)が見え始め。

↓島の直近でクジラと遭えます!

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外洋近くなると、ババウ諸島からほど近い(余裕で島まで泳げるくらいの)エリアでも、無数のブロウが見えて。

近くに寄って行くと、背びれも見えてきます。

船長がコースを予測し、ちょっと先回り。

「Ready, guys!」の合図でいつでも海に入れる準備をして。

「Go!」の合図でガイドに続いて、次々に海に入ります。

 と言っても、バシャン!と飛び込むとコースを変えて離れていってしまうので、なるべくそーっと。

 

ヒートランはその名の通り、どんどん泳いでいってしまうので、接触は点です。

泳いでいくコースに横から近づいていき、間近で眺める感じ。

付いていこうったって、めちゃくちゃ速いので30秒もフォローできません。笑

 

が!

私が数えられただけでも12頭のヒートランもあって、大迫力!!でした。

 「12頭以上いた」って言う人も。

超巨大なクジラがホントに目の前をぐいぐい泳いでいきます。

「オレのメスだ!」と泡をバーッと吹くクジラがいたり(バブルカーテンと呼ぶらしい)

↓近すぎて3頭しか写ってませんが。笑

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イルカやマンタ、サメなどを初めて海で見た時も思いましたが。

やっぱり野生を実際に間近で見るのは、水族館などとはまっっっっったく違う!!!

あんな巨大生物を間近でみるだけでも荘厳なのに、本気モードでメスを争う、その姿!

神々の荒ぶる姿を見てしまったような感覚です。

本当に「人生で一度はしたいこと」に誰もが追加していいくらいの経験でした。

 

ただ...ヒートランを観察するのは大変!の一言です。汗

「Go!」の合図でクジラの進行ルートに全泳力で近づいて、1分にも満たない観察。

で、船に戻って、また追いかけて。

すぐに「Ready, guys!」「Go!」の繰り返し。

もうね、船に戻るたびにみんな本気でハァハァします。

短距離走(泳?)のインターバル・トレーニングか!ってくらい。笑

「ちょっと今回休む」なんて人もいたし、せっかく泳いだのに辿り着いたらクジラが行ってしまった後、なんて人も。

そんな中、ガイドや他のゲストから「お前、めっちゃ速いな!」と言われて鼻高々。

フィンキックをかなり意識的にトレーニングしてきた甲斐がありました!

が...ものすごい疲れました。orz

ド迫力のヒートランを見るには、体力&泳力がそれなりに必要です!

ご注意あれ。

 

ちなみに今日のタイトルは...もちろん「イルカと海へ還る日」から。

って、ジャック・マイヨールなんてダイバーでもない限り知らんか。笑