Notes in Apia

常夏の島サモアで暮らす、青年海外協力隊員の覚え書き

ビールの正しい?楽しい?嗜み方

うーん、ブログをサボりすぎ。汗

と言っても、ここ最近のイベント率とか、朝まで呑み率とかヤバい。

ホントに40代じゃなくてもやっちゃいけないレベル。

絶対寿命縮んでる…。orz

けどまぁ、楽しいからしょうがないですね。笑

明日(というか今晩?)も夜明け前からイベント予定だしー。

 

今日は、協力隊員向けの読み物に寄稿したんで、それをネタに。

 

隊員機関紙

以前、タンザニアにいた頃は、隊員機関紙なるものがあって。

年に3回発行してました。

企画も執筆も編集もetc.、すべてを隊員が行ってて、JICAはお金出すだけ。

内容は生活の便利ネタだったり、純粋にエンタメ(自作マンガとか)だったり。

あと新隊員の紹介とか帰国隊員のあいさつとか。

発行頻度はともかく、多分どこの派遣国でも作ってたんじゃ?

近隣国はもちろん、アジアとか大洋州からも送られてきたりしてたし。

 

当時のタンザニアには元プロ編集の隊員がいて、機関紙の編集長?を。

その人に目を付けられた私は、派遣直後から毎回4ページ任されてました。

1ネタで4ページは長いので、2ページで1ネタ、残りは1ネタ/ページとか。

毎回毎回、我ながらよく書いたな、と思います。笑

 

残念ながら、私が帰国するくらいのタイミングで予算削減があって、真っ先に切られ。

私の帰国あいさつが載った号は紙媒体でなく、pdf発行だった記憶があります。

...ま、当時からPCを持っていない隊員はおらず、当然の流れではありますが。

が、予算もなくなった今は、定期的に発行している派遣国は多分ないんじゃ?

 

で、代わりというわけではないと思いますが。

今のサモアでは、事務所からの連絡事項を伝える「月間通信」なるものに、隊員が寄稿することになっています。

以前はともかく、最近は隊員数が減っているので、全隊員が一度ずつ書くのかな?

これがまた、書く人の個性が色濃く出て、内容自体に興味がなくても毎回楽しめます。

 

で、そんな月間通信に寄稿したので、以下それをほぼそのまま掲載します!

 ...いや、けっしてサボろうとか省エネとかそういうことではけっしてありませんよ。笑

 

オレが恋に落ちたのはビール瓶と鏡だけ

~まえがき~

突然ですが、私はお酒が大好きです。

三度の飯よりアルコール!

...でもないですが、呑めないくらいなら死ぬほうがマシ! ...な訳でもないか。笑

でもとにかくお酒が大好きです(って、皆さんご存知ですね、きっと)

日本酒もワインもウィスキーもブランデーもラムも泡盛も...and more、お酒はたいてい何でも好きですが。

もしかすると、中でも一番好きなのはビールかもしれません。

ごくごく呑んでも呑みすぎにくい(その前にお腹一杯になるから)ってのもいいところですし。

味や香り、炭酸の飲み口なんかがすごく好きです。

世界各国にある*ので、旅の楽しみのひとつでもありますよね。

イスラム諸国にだって「イスラミックビール」があるくらい!(もちろんノンアルコール)

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でも日本では「とりあえずビール」くらいの扱いなわけで。

お酒の中では格下って言うか、「ビールが一番好き」なんて公言するのが憚られるような存在ですよね...。

が!ビールは、その誕生が紀元前4000年とも8000年とも言われるくらい歴史が長く、はるか遠い先祖たちの時代から人類の苦楽の傍にあり続けてきているんです!

もっとも身近&気軽で呑みやすい、だからと言って、その価値が低い訳じゃあないんだぞ!と。笑

そんな私、ビールを他人に注がれるのを嫌がるってこともご存知の方が多いかと。

本稿では、その理由や背景も含めて「ビールの楽しい嗜み方」をご提案できれば、と思います。

 

ドラフト、瓶、缶

ビールの流通は基本3種類。ドラフト、瓶、缶かと思います。↓ロシアではPETボトルも!

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一番おいしいのはドラフト! ...ですが。

サーバをちゃんと手入れしてなかったり、注ぎ方が下手な店だと、瓶のほうがマシ!ってことも。

でもま、そんなことは滅多になく、やっぱりドラフト最強です。

特に専門のビアパブでドラフトマイスターが注いだビールなんかは、ふだん呑んでる銘柄でも同じビールとは思えないほどおいしいですよね。

サモアでは小売店の保管が悪いのか、輸送時の日光&温度が悪影響なのか、ドラフトと瓶では天地の違いを感じることも。

特にTaula!瓶しか呑んだことなくて敬遠してる人、ぜひドラフトを試してみてください(アピア市内のホテルやThe Edge、Home Cafeなど)

きっと印象が激変すると思います(でもTaula、最近製法?を変えたらしく、瓶もすごく呑みやすくなりましたね!)


瓶と缶だと...断然瓶だ!って人もいますが、私はブラインドテストして正答率が有意でなかったので何とも言えません。

直呑みならともかく、グラスに注いだらアルミ缶の金属臭なんて...しませんよねぇ?汗

(ということで個人的には引き分け。笑)

 

瓶から直呑みの是非

サモアに限らず、瓶ビールを呑む時、私はほぼ必ずグラスに注ぎます。

その理由は大きく2つ。

 

1つ目はシンプルに「汚い」からです。笑

タンザニア時代に教えてもらったんですが、瓶の口周りってめちゃ汚いことが多いです。

呑む前に白い布で拭いてみてください。多分、汚れがつきます(サモアではそうでもない?)

と言うのも、瓶の口の最上部は王冠で守られてますが、その直下からは砂とか埃とか付き放題なので。

段ボール箱で流通してる分は大丈夫なのかもですが、輸送時にビールケースだったり、店先の保管状況によっては...ね。

そこに口を付けるのはちょっと嫌じゃないですか?

 

2つ目は「おいしくない」からです。

これは好みの問題なので異論もあるかと。

が、瓶や缶はグラスに注ぐことを前提に、炭酸がかなり強めに入れられているそうです(byキリンビール社員)

ま、割と知られた話だし、間違いないかと(Coronaなど、直呑みが前提?なビールは知りませんが)

たしかに瓶や缶から直呑みすると、口の中が泡だらけになる感覚がありませんか?

試しに、グラスに注いだ場合と比べてみてください。

味も香りも、グラスのほうが感じやすいことが分かるかと思います。

なので、ビール原理主義者の間では、瓶でも缶でも直呑みは禁忌とされています。笑

 ...って、家だと洗い物が増えるんで、そのバランスですよねー。

 

注ぐ器

ビールの器も色々です。

ガラス製もあれば陶器製もあるし、最近は真空断熱のステンレス製なんてのも。

厚みもワイングラス、タンブラー、ゴブレット、ジョッキじゃ大違い。形状も考えると無限の選択肢です。

それぞれ口をすぼめてあったり、まっすぐ長かったりするのは、デザインよりもむしろ「香りが分かりやすい」とか「泡との比率が変わりにくい」などの機能で形状が決められていることが多いようです。

海外ビールをたくさん置いている店だと、それぞれのビールに合わせた器で出してくれたりするのも楽しみのひとつですよね。

それによってメーカー/醸造所のポリシーが想像できたり。

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で、器ももちろん好み次第。

ビールの種類や銘柄に合わせて変える、なんてこだわりも楽しいかもしれません。

かの魯山人は、ビールは一口二口で呑み切れる小さいグラス(昔ながらの小料理屋とかで瓶ビール頼むと出てくるアレ↓)じゃないとって話らしいし。

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注ぎ方

サーバから自分で注ぐことは滅多にないと思うので、瓶と缶からの注ぎ方ですが。

「瓶/缶ビールのおいしい注ぎ方」と言えば、やっぱり「三度注ぎ」が一番有名でしょうか。

 1.高いところから勢いよく7分目まで注いで泡を立てる

 2.泡とビールが半々くらいになるまで待って...泡の下に滑り込ませるようにゆっくり注ぐ

 3.さらにちょっとだけそーっと注いで、泡を盛り上げる

うん、文句なし。私も長いこと、こうやって注いでました。

...が!ビアパブやオーセンティックバーなんかで瓶から注がれるとき(海外ビールとか)、マスターやバーテンダーがグラスを傾けるのなんて見たことありませんよね?

そう、三度注ぎはあくまで「簡単な」おいしい注ぎ方ってだけで。

練習(注ぐスピードをコントロール)すれば、グラスを傾けたりしなくてもおいしく注げるようになるんです!


さらに言えば、何事も「正しい方法」なんてない訳で。

よく泡立てたビール(→甘味が出る)が好きな人もいれば、なるべく泡を立てないビール(→苦みが出る)が好きな人も。色々試して、自分好みの味の注ぎ方をマスターするのも楽しいと思います。

ご参考↓

 

ということで、私が注がれるのが嫌なのは、自分で色々試したい/練習したいというのがひとつ。

もうひとつは、せっかく楽しいはずの呑みの席で気を遣ったり遣われたりはちょっとねー、と。ただそれだけです。

そもそも注ぎ足しがNGな理由は↓

 

器の状態

これももちろん好みによるってのは大前提です。

...が!ビアパブ、ビアレストランなど「おいしいビール」が売りの専門店では、グラスであれジョッキであれ、ほぼ間違いなく「常温」かつ「内側を濡らした」器に注ぎます。なぜか。

 

まず温度ですが。

グラスを冷凍したりキンキンに冷やすと、ビールが必要以上に冷えてしまい、うまみ成分が凝固してしまう上、香り成分も揮発しにくくなるためです。

つまり、味も香りも犠牲になるから。

ウィスキーも同じで、ブレンダーは絶対ロックでブレンドしたりしません。

 ...でもさー、真夏のビアガーデンとか球場とかさー、キンキンに冷えたビールをガーッと呑みたいときもあるよねー。笑

 

内側を濡らすのも意外と大事で。

乾いたところに炭酸があたると(どうしても塵や埃があるため)気泡ができてしまって、泡立ちや対流の邪魔になるから、とのこと。

これ、家でも簡単に試せます。

同じグラスを3つ用意して「冷凍庫でキンキンに冷やす」「常温&乾かしたまま」「常温&内側を濡らす」のそれぞれに同じ注ぎ方をして比較すると...想像以上に味や香りがそれぞれ違って面白いかと思います。

 

最適温度

そもそもビール自体の最適な温度って?

正直、冷えてりゃいいって感じで、あんまり気にしたことないですよね?

基本的に冷蔵庫に入れとくだけだし。

ビールの種類や呑む環境(温度や湿度、季節etc.)にも依りますしね。

一応、調べてみたら「夏は4~6℃、冬は6~8℃」なんて記述も見つけましたが。

例えばダブリンでギネス頼むとぬるいです。

スタウト(黒ビール)だし。

と言っても、そんなギネスも適温は8~12℃なんて割と広い幅で書いてあって。

ロンドンで頼むと冷たかったり。

 

ロシアの駅のキオスクでは外気温でビール売ってました(要は棚に並べてあるだけ笑)が。

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それって冬は氷点下です。

 

かと思えばタンザニアでも同じく外気温で売ってて。

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直射日光こそ避けるものの、それって30℃近い。

それも日本と同じピルスナータイプのビールですよ?

でも!「それが好き」って人もいて。

レストランでも冷/温、両方が用意されていて、わざわざ「ぬるいビール」って頼む人もいるんです!

...そう、日本人でも。

 

ま、東南アジアに行くと、常温保存してある(=ぬるい)ビールに氷入れて呑む、なんて日常茶飯事ですし。

...とか書くと、「炭酸が抜ける!」、「薄くなる!」って言う人もいますが。

そんな人だってコーラだったら氷入れて飲みますよね?

なんでビールだけ特別扱いなの?と考えることもできます。

 

~あとがき~

まとめると。

すべては好みの問題です、当然ながら。 ...って書いちゃうと身も蓋もないけどー。笑

でも色々試してみることで、想像もしなかった呑み方が実は自分にとっては一番おいしかった!なんて発見があるかもしれません。

呑む環境や状況によって、おいしいと感じる呑み方も変わって当然だし。

習慣や理屈で「これが正解!」とか「これが普通!」なんて決め込まず、オープンに何でも試してみて楽しむのが「ビール道」の要諦なのかと思います。

 

...あ、タイトルはもちろん私の言葉ではありませんよ!念のため。笑

シドです、シド。 ...って、バンドでもやってないと知らんかー?

"I've only been in love with a beer bottle and a mirror." - Sid Vicious

ま、Never mind the bollocksってことで。

Never Mind the Bollocks

 

改めて 

ブログとJICA通信への寄稿じゃ、無意識ですが文体が違いますねー。笑

あと何より一文の長さが違う。

これは読む媒体が違うからで、実はちょっと意識してたり。

次回からは通常記事に戻ります。