Notes in Apia

常夏の島サモアで暮らす、青年海外協力隊員の覚え書き

サモアの中心で国歌を歌う

12月になりました。

サモアは南半球なので夏真っ盛り。

雨季なんですが、今年は雨が少ない、と言うかスコールばかりで。

ゴーッと降ってすぐに止み、降ってたのがウソみたいにきれいに晴れる、という感じ。

去年はもうちょっと梅雨みたいに曇りっぱなしの時間が長かった気がするんですが。

おかげでめちゃくちゃ暑い日々です。

みんなで「去年こんな暑かった?」って言ってるくらい。

雨ばかりだと洗濯物を干せずに困るし、晴れてばかりだと暑すぎて困る。

寒い日本を考えれば、ぜいたくな悩みです。笑

 

そんな暑い日々なのに、11月になった瞬間から隣の家から響く音楽はクリスマス一色。

気が早すぎない!?

...と言っても、日本でもハロウィン終わったらクリスマスモードか。

でもホント、これだけ暑いと全っ然実感が湧きません。汗

 

天皇誕生日レセプション

実際の誕生日は12月ですが、サモアでは天皇誕生日レセプションが行われました。

 去年も書きましたが、12月に開催してもゲストが集まらないので、ほとんどの国で11月開催らしい。

去年は協力隊員でただ一人参加させていただきましたが、今回は全員ご招待。

正式にサモア大使館がスタートして初年度なので規模が大きくなりました。

↓ものすごい人!予想を遥かに超える集客だったそうです。

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↓VIP席のナプキンが和服テイスト!かわいい。 色も日の丸反転?そりゃ考えすぎか。笑

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音楽監督就任?

初めのうちは協力隊員は招待されておらず。

まずは国歌(日本&サモア)を歌う人が募集されました。

が、実はその時点では特に応募する気もなく。

人前で歌いたい!ってタイプじゃないし(ホントです!笑)

日本人会理事として、今年も招待してもらえるかなーなんて思っていたので。

 

が!大使館の人から直々にお声がかかりました。

曰く「ちゃんとしたものでないとまずいので、84さん、音楽監督してください」と。

まぁそう言ってもらえたら、もちろんやるしかありません。

 

どうもその背景としては...

某国のイベントでは大使の娘さん?がサモア国歌をアカペラで歌って大好評!

なんてことがあったようで。

こりゃ日本も負けてられん!という思惑があるようなないような。

責任重大です...。

 

歌うことになった経緯

歌い手4人の募集に対し、応募したのは全員女性。

じゃ、アンサンブル考えても、オレ歌う必要ないよねー、と。

君が代は斉唱(ユニゾン)ですが、サモア国歌もユニゾンじゃ芸がない。

ということで、女声3声でアレンジしてみました。

ソプラノ(メロディー)2人、メゾソプラノ、アルト各1人。

実は全然ちゃんと聞いたことなかったんですが、意外とパッとアレンジできました。

ほぼ手癖、と言ってしまうとアレですが、降りてくるときは降りてくるものです。

 

が!

「これじゃ難しくて歌えない」と歌い手たちからNGが...。

さらに「やっぱり84さんも歌ってもらわないと困ります」と大使館から。

えー?話違くなーい...。汗

 

でも私の立場的に、否も応もないわけで。

さっそく自分も入れた女声3、男声1でアレンジし直しです。

でも...一度アレンジした曲の別アレンジって、ドツボに嵌ることが多いんですよね。

前のイメージに引きずられると言うか。

特に一度目がパッと降りてきたときは尚更。orz

しかも女性4人、男性1人って!バランス悪!!

なので、ちょっと時間をかけてしまいましたがリアレンジ。

 

サモア国歌

ということで、コードだけ載せとこうかな。

いつか誰かの役に立つかもしれないから。笑

 

「O Le Fu'a o Le Sa'olotoga o Samoa」

G             D/A      G/B C Am   G      D/F#    G
Samoa, tula'i ma sisi ia lau fu'a, lou pale lea;

G             D/A      G/B C Am   G      D/F#    G
Samoa, tula'i ma sisi ia lau fu'a, lou pale lea;

D
Vaai i na fetu o loo ua agiagia ai;

D
O le faailoga lea o Iesu na maliu ai mo Samoa Oi!

G                    Am        G          D       G
Samoa e, uu mau lau pule ia faavavau.

D                                G
'Aua e te fefe, o le Atua lo ta fa'a vae

C     A7/C# G/D D
O lota Sa'o lotoga,

G           D/A         G/B C Am
Samoa, tu'la'i, ia agiagia lau

G          D/F#       G
Fu'a lou pale lea.

 

かなり調べたんですが、オリジナルキーが分からず...。orz

Gでアレンジし始めましたが、実際には半音上(Ab)が正解っぽい。

音域的にもみんな歌えるってことだったので、本番はAbで歌いました。

 

最終アレンジ、改めて見ると超シンプル。

オールディーズのドゥーワップみたいに、基本のトライアドだけでできてますが。

全員コーラスの素人なので、これくらいでちょうどいいんです、きっと。

 

最初は確か「G D/F# Em7 Bm7 C Am G D/F# G 」みたいな進行にしたんだったかな?

メロディーとルートが逆行っていう、教科書どおりな感じで。笑

 でも今思うと完全にギターの手癖だな...。やっぱりアレンジするときは鍵盤がないと不便です。

これだと現代のポップソング的なアレンジなので...

パート分けして歌うと「合ってる!?」って感じて、たしかに歌うのは難しいかも。

 

ただ「O lota Sa'o lotoga」のとこだけは、こだわりのアレンジ。

Cメロ的というか、グッとくるところがひとつくらいないと、ってことで。

前後はいかにも!って感じのマーチなのに、ここだけ現代曲になる。笑

 

あ、オリジナル?はこんな曲です(歌詞の意味付き)

それにしても「This is the symbol of Jesus, who died on it for Samoa」ってすごいな...。

キリスト教、伝えられた側ですよね?笑

 

いざ本番!

練習は週に一度集まって、5回くらい?

初めは「これ大丈夫か!?」って感じでしたが、回を重ねるごとに良くなって。

本番はアカペラで臨むことにしました。

 

そしたらなんと!

本番2日前に、一人がご家族の都合で急遽一時帰国することに...。

しかも彼女のパートは難しいアルト。汗

選択肢としては...

 1) アルトなしで4人で歌っちゃえ!

 2) ソプラノから1人アルトへ!さらに国歌を歌えそうな人を誘っちゃえ!

 3) ソプラノから1人アルトへ!4人で1パートごと!

です。

1は、完成度は高いけど、どう聞いても和音的に寂しい(当たり前)

2,3は、アルトに移る人が超大変!

 

が!わずか半日で、何とかアルトを覚えてきてくれました!

さすがは同期の歌姫。頼りになります。

もう一日あるから、きっと何とかなるだろうと胸算用。

そうなると俄然欲が出て、プラン2にしたいところ。

 

が、実はもうひとつ問題があって。

今回、歌う5人のために、大使がポケットマネーで衣装を用意してくれたんです。

↓桜の柄をハンドプリントしたオリジナルの布。大使館の皆さんと色違いでした。

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もちろん各自採寸して作ったオーダーメイドなので...。

国歌が歌えるだけじゃなくて、欠席する隊員の衣装が着られなきゃいけない!

って、女性は上下のツーピースで、かなりタイトに作られてます。

それハードル高くない?汗

 

結局、2人の隊員が協力してくれて、リハーサルまで参加してくれたのですが。

元々国歌をちゃんと知らない(歌詞を覚えていない)など、やっぱり無理が大きく。

そもそも歌詞の譜割りまできっちり合わせているので、いきなり入れる訳がない...。

ということで、プラン3で臨みました。

 

↓ステージは各国の大使や領事の目の前!なかなかのシチュエーションです。

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結果...

自分たち的に思うところはあれど、好評を頂きました。

特にサモア人からの評価がすごく高かったらしく、サモア人の中でも「あれは良かった!」と言ってもらえていたようです。

大使にもご満足?ご納得?いただけたようで何より!

ここ2ヶ月くらいの肩の荷がようやく下りた気がした瞬間でした。

 

↓久々の日本酒(しかも超いい酒!)をたくさん頂きました。自分へのご褒美。笑

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