Notes in Apia

常夏の島サモアで暮らす、青年海外協力隊員の覚え書き

「君が代」は国歌として適切か?

まず初めに書いておきますが、私は右でも左でもありません。

私の価値観は、日本人平均よりはかなりリベラルだと思います。

 ※多様な価値観を重要視する。

なので、右も左もある程度は分かる気がするし、どっちも完全否定する気はなく。

かなり中道なつもりです。

 *右派や左派(あるいは保守や革新)のどちらにも偏らない。中正。

 

...と、前置きしておかないと、ヤバい人に絡まれそうで怖い。笑

ということで今回のネタは「君が代」です。

 

 協力隊員は右?左?

いきなり刺激的な見出しですが。

君が代」を語るときに避けられない感じなので。汗

 

青年海外協力隊って政府直轄の組織が税金を原資に行ってるので。

「日の丸の御旗の下に」的に?右派の集まりのように思われるかもしれません。

が!まっっったくそんなことはなく。

やっぱり若い人が多いからか、そもそも途上国に行こうって集まりだからか、リベラルな雰囲気が強いと感じます。

 

中には「天皇制は廃止すべきだ!」とか「皇太子のご接見には行きたくない!」なんて隊員もいますが、ごくごく少数です。

逆に「愛国!」とか「憂国!」なんて隊員もいるのかもしれませんが...

私の知る限りでは...いないなぁ。

ま、どっちも割合的には全国平均より断然低いんじゃないかな、と。

 

なので、「君が代なんて絶対歌わない!」って隊員も多分いません。

いや、いるのかもしれないけど、身の回りで問題になったことはありません。

 

君が代」は変な歌?

じゃ、なんでわざわざブログのネタにしたかと言うと。

今回、国歌を練習する中で「君が代ってすごい変な歌で嫌」なんて隊員がいたから。

君が代は基本的に嫌い。天皇万歳とか思わないし」なんて隊員もいたし。

 

...うーん。

別に誰がどう感じようと思おうと別にいいんですが。

そこには大いなる無知や誤解があるような気がするんです。

実際、自分だって音楽やってなかったら、変なメロディーと感じたかもしれないし。

興味を持って調べたりしなければ、「君が代天皇万歳の詞」と勘違いしていたかも。

 

本当は「変なメロディー」でも「天皇万歳な歌詞」でもない!

ってことを書いておこうかと。

 

君が代」の歌詞の真実

まず問題にされるのは歌詞ですよね。

君が代は 千代に八千代に さざれ石の
巌となりて 苔のむすまで 

「君」が天皇陛下を指しているって解釈なんだと。

だから右な曲なんだと。

えーと...その説を信じてる人は、ちゃんと自分で調べてみたんでしょうか?

 

この歌詞、元々は古今和歌集

我君は 千代に八千代に さざれ石の
巌となりて 苔のむすまで

ですが。

これ、ふつうに読めば、「君」が天皇なんて思わないでしょ? 

諸説あるとは言え、元々の和歌の時点で「君=天皇」としてる人はいないかと。

 あってもトンデモだけじゃない?

 

じゃ、なんで「君=天皇」と言われるようになったかと言うと。

和歌の中で「君」と言えば「天皇」を指す時代ももちろんあったようです。

でも逆に、

祝いの歌や相手を思う歌として小唄、長唄浄瑠璃仮名草子浮世草子、読本、祭礼歌、盆踊り、舟歌、薩摩琵琶、門付等に、あるときはそのままの形で、あるときは言葉をかえて用いられ、この歌詞は庶民層にも広く普及した。(Wikipedia)

なんて時代もあったようで。

いつどこでも「君」と言えば「天皇」ではなかったわけです。

 

ま、戦時中etc.に「君=天皇」って解釈が正解とされたのかもしれませんが...

現代においても「君=天皇」とするのは無理があるんじゃない?と。

今もそう主張するのは極右か極左の人たちだけって気がします。笑

 

 

この辺、詳しくはWikipediaなどに譲りますが...

ぜひ一度は読んで、自分で考えてみることをオススメします。

 

一度でも「君=天皇」なんて解釈を正しいとした時代があるからダメだ!

とか言い出したら...

旭日旗軍国主義の象徴だから掲げるな!

なんて主張する人たちと同レベルじゃないですか?

 

君が代」のメロディーは終わらない?

次に音楽的なことですが。

「終わった感じがしない」ってよく言われますよね。

たしかに、ほぼ西洋音楽だけで育った耳にはそう聞こえます。

ハ長調なのに「レ」で始まって「レ」で終わるので、違和感この上ない。笑

f:id:jptzws:20181204143734g:plain

が!

君が代」って、西洋音楽じゃないですから!

雅楽の一番の基本音階である「壱越調」でできてるんです。

雅楽として聞けば、何の違和感もない。

というか、むしろ何の変哲もなさすぎ?シンプルすぎ?ってくらい。

でも雅楽なんて我々には耳馴染みがなくて。

しかも西洋音階に当てはめて、西洋楽器で演奏するから変に聞こえるんだと。

 

世界の国歌と比べて

そんな「君が代」を誇りに思う人はあんまりいないと思います。

内心思ってても、そんなこと言おうものならウヨク決定!って感じですよね。笑

でも私は、「君が代」は世界でも他に類を見ない「良い国歌」だと思います。

 

まず、歌詞を古典から採っている点。

世界最古の歌詞と言っても過言じゃないんじゃないでしょうか。

少なくとも国歌でこんなに古い歌詞を採用している国はないと思います。

古典なので当然ですが、詩の形式としても日本が世界に誇る「短歌」ですし。

ホントそんな歌詞の国歌、世界的に見ても激レアですよ?笑

 

次にメロディーについても同様で。

日本の伝統的な「雅楽」の音階で構成されている点。

しかも一部は古くから伝わるメロディーなんだとか。

他の国の国歌をディスるつもりは毛頭ありませんが...

大半はがっつり西洋音楽で、その国をまったく感じられない曲ですよ。

 ヨーロッパは西洋音楽で当然だし、インドとか一部の国を除きます。

 

さらに言ってしまえば。

軍歌由来が多いです。

...軍歌って言うと言い過ぎなのかな。戦いの歌とか。

独立をテーマにした歌詞が多いし。

音楽的にもマーチが多いでしょ?

曲自体が被ってる国も多いし。

 

...と考えると。

そんなのと比べりゃ「君が代」っていい国歌だな。って思いません?笑

こんなに日本の伝統に基づいたオリジナルな歌、他にありません。

 

ただひとつ...

ということで、私は「君が代」は国歌として十分適切だと思ってます。

他にもっといい曲があるなら教えてほしいくらい。

團伊玖磨先生に賛成!笑

 

が!

それでも「君が代嫌い」とか「歌いたくない」って人の気持ちも分かるんです。

 

なぜなら...

強制するアホがいるから。

 

国旗や国歌、それ自体に罪がなかったとしても。

掲揚や斉唱を強制するのは、すごく軍国主義っぽい。

そういうことするからアンチも消えないんだと思う。

それは愛国でも何でもなくて。むしろ逆。

ただの思想強制。

気持ち悪い。

 

ただ、掲揚や斉唱を強制されたとしても、憎むべきはその行為であって。

国旗や国歌そのものを嫌悪するのはまた違うよな、とも思います。

 

 

...あ、ちなみに国旗も好きです。

単純にデザインとして、あれ以上素晴らしい国旗を見たことがないから。笑

国歌も国旗も好きなのに右な理由は一切ありません。あしからず。

 

君が代と言えばこれだろ?


清志郎を聴くと、曲に関係なく、いつも泣きそうになる。

でもこれは「おぉ、布袋のアニキが弾いてるよ!」って笑った。笑