Notes in Apia

常夏の島サモアで暮らす、青年海外協力隊員の覚え書き

青年海外協力隊員に必要な英語力

ゴブサタだった協力隊情報も、思い出した勢いで連続第2弾!

反省してるんだか、してないんだか。笑

 

今回は、協力隊員って、どれくらい英語力がいるの?って話です。

 

私の案件の場合

昨日、私の後任の要請が公開されたと書きました。

しかも、その内容はほぼ私が決め&書いているという、割と驚愕の事実!

 あ、もちろん最終的なオーソライズは学部長・学科長ですよ、もちろん。汗

 

で、今回の要請では「資格条件等」から、学歴や実務経験年数をなくしました。

たしか私のときは「修士号」「実務5年以上」とかでした。

でも、そもそもサモア人教員がほとんど持ってないじゃん、修士

実務経験だってないし!!

そこで「ホントに必要?応募者減るよ!?」と聞いてみたら。

当時そんな条件をつけたつもりはないとのこと。

...これもJICAが勝手に付与した情報だったのかもしれませんね。毒

 

ただ、その代わりと言っちゃ何ですが。

私の応募時はBだった英語のレベルをAに変更しました。

 

どれくらいかって言うと...

 A: 英検準1級以上・TOEIC730点以上・TOEFL550点(CBT213点、iBT79点)以上

 B: TOEIC640点以上・TOEFL500点(CBT173点、iBT61点)以上

って感じです(詳しくは→語学力審査について)。

が、正直に言うとAの上を付けたいくらいです。

 

NUSは、サモアと言えど、唯一の国立大学だけあって。

留学生や外国人講師もいるので、当然、授業も会議も英語です。

生徒どうしも英語で話してたりして、最初は驚きました。

 ま、サモア人どうしの会話や、スタッフバーや会食時などは基本サモア語ですが。

 

なので、英語が十分話せない人が派遣されると「何しに来たの?」状態になります。

実際、英語が苦手な人を陰でディスってるのを聞くことがあります。

 人を腐すのってサモア人には珍しいんですが...。

ま、英語が流暢に話せるというのは、日本以上にステータス感があるのは事実です。

だから隊員・大学、双方にとって英語が得意な人のほうが幸せだろう、と。

JICAスタッフとも話し合って変更しました。

隊員も、生徒のほうが英語が話せたりすると立場ないでしょうしね...。

 

...と書くと、世間の協力隊イメージに近いでしょうか?

「やっぱ英語できなきゃダメなのね」と。

 

平均的な案件の場合

じゃ、ホントに英語が必要なの?と言うと。

たいていの案件においては、それほど英語力を必要としません。

いや、誤解を恐れず書いてしまうと、英語力なんて要りません。

 ...さすがに言いすぎか?笑

 

と言うのも。

協力隊の派遣国では、公用語が英語でも、たいてい日常生活では現地語です。

例えば、サモアではサモア語。

タンザニアに至っては、私が行った頃は教育は英語・日常はスワヒリ語でしたが、今や教育もスワヒリ語に戻す政策だとか。

なので、実際の活動では現地語を使う案件がほとんどじゃないかと。

 「募集ボランティア要望調査票」だけに騙されちゃいけませんよ。

 実際とは乖離していることがあります!

 

特に小学校とか地方の案件は、おそらくどの国でもほぼ現地語。

その辺りは、前任者を見つけて聞くのが確実ですが。

その国で活動している隊員に連絡してみるのが手っ取り早いですね。

 

さらに言ってしまうと。

そもそも公用語が英語じゃない国もたくさんあります。

フランス語だったり、スペイン語だったり、ポルトガル語だったり。

要は、占領してた国の言語です。

そうなると、英語なんてまったく必要ありません。

じゃ、フランス語とかが必要かって言うと、そんな人レアですよね。

しかも、国によっては、活動言語はタイ語とかモンゴル語などの現地語。

そういう言語は激レアなので、話せなくても選考には全然関係ありません。

フランス語とかも含めて、ほとんどの隊員は国内訓練で初めて身に付けます。

みんな同じ条件でスタートなので心配無用です。

 逆に、スタートが同じなだけに、あんまり差がついちゃうとカッコ悪いんですが。笑

 

最低基準

でもJICAのサイトにはこんなこと↓書いてあります。

応募に際し、必要となる語学力は、英語の場合、中学卒業程度(英検3級もしくはTOEICスコア330点)に設定しております。

 

たしかに英語の案件だと、これくらいが目安になりそうです。

が!

これに満たなくても、合格する人はいます。

要は、国内訓練終了時に、案件が要求する語学レベルに達していればいいんです。

 

本当にあまりにも語学ができなくて、訓練終了時に不合格になる人もいます。

 ま、そんなヤツ、滅多にいませんが。笑

私の知る人はもう一度訓練をやり直し、2回目に晴れて合格→派遣と相成りました。

 

いや、正直、彼の英語レベルはそれでも最低条件に達してなかったかもしれません。

それくらい英語ができないヤツでした。

しかもスワヒリ語も苦手で、タンザニア隊員の中でも下から何番目?って感じ。笑

 

が!!!

彼は誰よりもタンザニア人コミュニティに早く&深く馴染んでいました。

誰よりも言葉ができないのに、ですよ?

まさしく人柄のなせる業...。

本当に心の底から尊敬するヤツです。

 逆に言葉は流暢なのに、全然溶け込めない隊員もいましたよ...。

 

まとめ

言葉って、もちろん大事です。

でも、それ以上に大切なのは人間力です。

協力隊員はそれをものすごく試される環境だと思います。

 

年齢・経歴・性別・外見etc.どれも多少なり影響しますが、それ以上に自分自身。

語学ができる/できないなんてことも瑣末な問題で。

人柄や情熱、そういった数字では測れないもののほうが断然大切です。

 ...って、言葉にすると当たり前ですね。笑

 

外国人の友達がいるなら、その人を想像してみてください。

日本語が流暢だから仲良くなったわけじゃないですよね?

 

結論

「言葉は大事だけど一番じゃない。協力隊の応募にも英語力は全然必須じゃない」

です!

 

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↑英語力と言えば、いつも13年前のこれ(@二本松訓練所)を思い出します。

見えるでしょうか、一番下の「Speak English whenever you are together」が。

ペラペラ女子5人に囲まれ、絶対友達になれないと思って凹みました...。

でも言葉は問題じゃなかった!涙