Notes in Apia

常夏の島サモアで暮らす、青年海外協力隊員の覚え書き

外国で現地に馴染むコツ

このブログは自分からはどこにも発信せず、割とこっそり書いていたのですが。

ここ最近、なぜか急にアクセス数が上がっていて、ちょっと怯えています。笑

...と言っても、隠れて書いているわけでもないので、見つけて読んでいただいて感謝です。

どこかでご紹介いただいてるのでしょうか?

ありがとうございます。

 

勤め先(サモア国立大学)は後期の開講に向けて、やや活動的になってきました。

と言っても、17日から始まるのに、日本とは比べ物にならないユルさですが。笑

 

先日は全体職員会議が開かれました。

前後期の間に人員の増減があったので、新人紹介がメインです。

おそらく全体で400名以上のスタッフがいるのですが、タイミング的に休みを取っている先生も多いので、集まったのは300名弱くらい。

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↓上の写真ではよく分かりませんが、サモアらしく、巨大なオープンファレです。

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理学部にも新人が数人いるのですが、まだ誰も勤務を始めておらず。

ウチは誰もいないね、なんて思っていたら。

学部長が「84、あなた初めてよね?あいさつして」と。

えー?もう赴任して4ヶ月以上ですけどー。汗

が、前期の全体職員会議の際はいなかったので、たしかに初めてです。

 

...こういうのが得意で好きって人もあまりいないでしょうが。

もちろん私も苦手で嫌です。

が、青年海外協力隊としては、こういう時こそ積極的にいかないと。

ということで、前に出てあいさつしました。

まぁもちろん二言三言なので、時間にすれば20秒くらい?

わずかな時間でしたが、優しいサモア人は大ウケしてくれました。

席に戻る間も、理学部の先生たちが「良かった!」「面白かった!」と言ってくれて。

他学部の知らない先生も声をかけてくれたり。

ホント、サモア人の人柄にはいつも助けられます。

 

が。

ウケたのは内容ではなく、多分間違いなく、サモア語でしゃべったから。

超カタコトでしたが...。

外国人は他にも何人かいたのですが、サモア語であいさつしたのは私だけ。

サモア語を学ばずに来ている人はしょうがないかもしれませんが、Peace Corp.(アメリカのボランティア)なんて、JICAよりしっかりしたサモア語研修を受けてるのに。

そういう英語で話す人たちには、まばらな拍手が起きるだけで、特に盛り上がったりしません。

 

まぁ考えてみれば当たり前です。

日本に来た外国人が英語であいさつしても、別に盛り上がりません。

もちろん特に悪い気もしませんが。

でも、どんなに拙くても日本語であいさつしたら、印象が全然違いますよね。

 

これは海外旅行でも同じで。

英語が通じるとしても、そりゃ現地語のほうが断然いいです。

タンザニアではスワヒリ語

ロシアではロシア語、

エチオピアではアムハラ語、

ブータンではゾンカ語、

イランではペルシャ語

「こんにちは」と「ありがとう」だけでいいから、現地語でニコッとして言えば、どこの国でも優しく接してくれます。

 

前回の協力隊でタンザニアに赴任したとき、真っ先に先輩隊員に言われたのが

「とにかくあいさつ。あいさつさえしとけば「アイツはいいヤツだ」ってなるから」

でした。

実際、タンザニアではあいさつが超重要視されていて、毎朝、他の先生たちとのあいさつだけで何分かかるんだよ!?ってくらいでした。

職員会議とか、集まってくる先生どうし、全員が長々あいさつを交わすので、いつ始まるの?と、不安になったり(実話)。

 

...それは極端な例としても。

多分どこの国でも、あいさつは大切ですよね。

特に、見るからに外国人!なんて時は。

「相手からあいさつされてするのは、あいさつじゃなくて返事だ」なんて言われたりしますが。

自分から積極的にあいさつするのが重要。

できれば現地語で。

 

これも逆を考えれば当然かもしれません。

ある日、隣に外国人(白人でも黒人でも中東風でもお好きなイメージで)が越してきて。

会うたびにニコッとして「オハヨーゴザイマス」とか「コンニチハ」って言う人と、

目が合っても特に何も言わず、軽く会釈くらいで通り過ぎる人。

そりゃ前者のほうが圧倒的に馴染みやすいですよね。

 

 

協力隊員でも稀にいるのですが、「援助しに来てやってる」的な姿勢の人。

自分からあいさつしなかったり、能動的に絡まなかったり。

これ、うまく行くはずがありません。

だって現地の人から見れば、何しに来たのであろうと余所者ですから。

まずは自分から馴染もうという姿勢を見せることが必須だと思います。

 

...って、ずいぶん偉そうに書いてますが。

実はタンザニアでは失敗しました。汗

先輩の助言もあって、勤務先ではちゃんとあいさつして馴染みましたが、住んでいたのが校内の教員住宅ということもあり、地域の人には消極的で、よく行く店の人を除いて、関係がほとんどなかったんです。

今思えば、もっと地域の人とも関係性を築けばよかったな...と。

 

サモアでは、積極的にサモア語であいさつした結果。

校門から自宅までの約700m、知らない人はほぼいません。

最初はあいさつだけから始まり。

サモア人はオープンで色々話しかけてくれるので、今では「日本人で、大学で電子工学を教えてる」くらいは、ほとんどの村人が知ってるかと。

近所の子供たちは通るたびに「おはよー!」とか声をかけてくれるし、道にいればハイタッチしてきたり。

大学の行き帰り、雨が降っていて村人の車が通ると「乗ってく?」と聞いてくれたり。

校門前の売店では、ビールの銘柄を覚えていて、顔を見るとサッと3本出してくれます。笑

 

 

もちろん、サモア人の気質に負うところが非常に大きいことは言うまでもありません。

が、カタコトながらサモア語をしゃべろうとする努力も、少しは認めてもらえたのかな?と思います。

 

ちなみに、職員会議での自己紹介は...

「私の名前は84です。日本から来ました。

サモア語が下手でごめんなさい。

ここに来られて、みなさんと一緒に働けて幸せです。

みなさんサモアの人たちが大好きです。

サモアのビールも大好きです。バイリマ*最高!

どうもありがとう」

でした。

サモアのビールのブランド

 

こんなので大盛り上がりしてくれて、ホント、サモア人は優しいですね。笑