Notes in Apia

常夏の島サモアで暮らす、青年海外協力隊員の覚え書き

外国語をとにかく早く覚えるには

昨日から大学が前期のテスト期間に入りました。

基本的に1つの試験は3時間で、朝9時からと昼2時から。

来週の金曜日まで2週間テストで、後期は7月第3週からなので、1ヶ月以上休み。

生徒は。

教員は採点や後期の準備、会議などがあるので休みではありません...。orz

 

学生はいいなー、なんて思いつつ。

このサモア生活は、日本で働いている人からすれば、2年の休みみたいなもんだろうな、と。

...誤解を恐れず言えば、確かにそんなもんです。笑

 

ですが、協力隊は日本にいたら得られないものがたくさん得られます。

そのひとつが語学。

特に現地語。

英語などメジャーな言語は、日本にいても、やる気次第で学習できます。

が、サモア語、ラオ語キルギス語etc.を学ぶのは、かなり難しいですよね。

 

協力隊に合格すると、まずは日本で3ヶ月弱の訓練生活です。

派遣国によって、二本松か駒ヶ根(いずれも山の中)にある訓練所で合宿生活します。

内容は色々ですが、メインはもちろん語学。

朝から昼過ぎまで、活動で使用する言語をみっちり習います。

しかも、どんなマイナー言語でも、(多分)すべてネイティブから習えます。

日本で外国語(特にマイナー言語)を学ぶ上で、こんなに理想的な環境は他にないんじゃないでしょうか。

訓練が終わる頃には、みんな初めて習った言語とは思えないくらい喋れるようになってます。

 

私は、と言うと、前回も今回も英語クラスでした。

なぜなら、訓練言語は「活動に使用する言語」だからです。

タンザニアでもサモアでも学校教育は英語なので、英語を習う、と。

これはこれで英語が伸びるのでありがたいです。

 

が!

実生活に使う言語は、その国の言葉であることが多いです。

例えば、市場で買い物するのは、タンザニアではスワヒリ語サモアではサモア語です。

途上国では、政治や教育の場での公用語と、一般生活の場での公用語が異なることがよくあって。

前者はたいていの場合、統治国の言語で、英語の他、フランス語、スペイン語ポルトガル語などですが、観光地やホテル、富裕層など以外には通じないことも多いです(特に地方)。

なので、そういう派遣国では、赴任してすぐ、現地語訓練があります。

タンザニアでもサモアでも、2週間の授業を受けました。

でも50時間で覚えた言語なんて付け焼刃もいいとこですよねー。

タンザニアでは、授業後の職員会議からスワヒリ語だし、買い物もスワヒリ語で。

最初はまったく何を言っているのか分からず、必死で覚えました。

生きるために。笑

 

サモアでは、職場ではほぼ完全に英語です。

NZとかOZ、中国の先生もいるので、会議なども英語。

さすがサモア唯一の国立大学!

買い物なども、外国人の多い首都に暮らしていることもあり、英語だけで困ることは滅多にありません。

 

ただ...そのおかげでサモア語をすっかり忘れてしまいました...。

けっこう真面目に勉強したんだけどなー。

しかも悪いことに、スワヒリ語に似てるんです。

子音の後は母音とか、たいてい後ろから第2音節にアクセントとか。

同じ言葉を2回繰り返す単語(polepole、noanoa等)とか。

ほぼローマ字読みでOKな発音も同じで、文法も英語系で似てる。

なので、綴りも発音も同じなのに、まったく違う意味の単語がたくさん。汗

とっさの場合に、本当に混乱します。

 

さらに、いつのまにか頭の中で「まず英語→通じなければスワヒリ語」というスイッチができていたらしく、英語が通じないと、いまだにスワヒリ語が出そうになります。

サモア語は、一生懸命思い出しながら頭の中で文を作って、やっと口に出す感じ。

 

いつになったら頭の中がサモア語で上書きされるんだ...。

サモア語のほうが最近習ったし、使用頻度も断然高いのに!

と思いましたが。

よく考えると、10年前とは言え、スワヒリ語は曲がりなりにも2年間毎日話していたわけで。

滅多に使ってないサモア語が上書きするはずがない。

やっぱり言語は話してナンボなんですね。

 

よく言われますが、話す行為は即時的なものなので、頭の中の思考からその言語になっている必要があります。

つまり、英語で話すには英語で考えている必要がある、と。

日本語から訳してたら会話になりません。

特にサモア語は英語で習っているので、日本語で考えて→英訳して→サモア語訳なんて絶対無理です。

 

話す=頭の中からその言語になる、だからこそ言語能力が伸びるんです、きっと。

思えば、訓練所ではどの言語クラスでも、とにかく話してました。

「お前たち、授業終わっても英語以外で話すなよ」なんて言われたのが懐かしい。

おかげで当時のクラスメートは、いまだに日本語で話すと違和感があります。

お互い日本人なのに。笑

 

外国語を早く覚えるには、読んでも書いても聴いても不十分。

とにかく話す!

これに尽きる、というのが私の実感です。

 

...長々書いたわりに超当たり前な結論でごめんなさい。汗

So sorry.(英語)

Samahani sana.(スワヒリ語)

Faamalie.(サモア語。たしか。笑)