Notes in Apia

常夏の島サモアで暮らす、青年海外協力隊員の覚え書き

リアル「南の島のハメハメハ大王」生活

以下、昨日書いたものですが、自宅のネット環境が調子悪く、上げられず...。

これも南の島リアル?汗

 

===ここから===

 

前回書いた全体スタッフ会議以降、構内で声をかけられることが増えました。

今朝は校門にいる守衛から
「Good morning, Mr. Vailima! (私が好きだと言ったビールの銘柄)」
と言われました。

えーと...それはちょっと違う。笑

冗談好きでオープンなサモア人の気質がよく出てますね。

 

まだ後期は開講していませんが、前期の成績が掲示してあったり、授業料の払い込みだったりで、生徒の姿をポロポロ見かけます。

昨日は、理学部に通う、SV(シニアボランティア)の娘さんが部屋に来ました。

どうしたのかと思ったら、「理学部の成績、どこに貼ってありますか?」と。

いやいや、1階のロビーに掲示板が並んでるじゃない?

が、行ってみると、なぜか掲示板が1,2枚なくなってる!

↓つい数日前まで、確かにこの奥に並んで理学部の成績もあったのに...。

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で、誰かに聞こうと理学部スタッフルームに行ったら、鍵が。

中には個室も大部屋もあるのに、誰もいないのかよ...。

私の居室の並び(学部長や学科長、上級講師の個室)を訪ねるも、誰もおらず。

会議でもないのに理学部スタッフ(約40名)全滅でした。

平日の昼、授業がないとは言え、ふつうの勤務日なんですけどー。汗

「雨が降ったらお休み」どころか、「いい天気だからお休み」くらいの勢いです。

 

成績は、多分どこかで掲示板が足りなくなったから、「1,2枚いいでしょ」的なノリで一時的に持っていってしまったんでしょう。

日本人の感覚ではあり得ないし、万が一持っていくとしても、貼ってある掲示物を残った掲示板の裏に移しかえたりしますよね。

が、サモア人は気にしません。

さらに言ってしまうと、成績を見に来た生徒(サモア人)も気にしません。笑

一緒にいたサモア人の子は「じゃ、また来まーす」と帰っていきました。

SVの娘さんも、かなり逞しくなって帰国することでしょう...。

 

サモアは割と一事が万事、こんな感じです。

17時に閉まる店は16:30には閉店しかけてるし。

土曜日は13時までの店も、12時過ぎにはもう入れなかったり。

 

大学でも、13時からの会議、13時に行くと私一人です。

部屋で10分待ってると1,2人来て。

20~25分遅れスタートがデフォルトかな?という感じ。

先日は、ある先生の原稿チェックということで集合がかかったのですが。

時間通りに行くと誰もいない(これは日常)。

10分待っても誰も来ない(たまにある)ので、一旦自室に戻り。

さらに10分後にスタッフルームを覗くと、件の先生が原稿を印刷してる(おいおい)。

じゃ、まだだな、と思って、また自室に戻る。

が、スタッフルームから人が移動する音が聞こえないぞ?

...と思ってたら、20分後、先生が原稿のコピーを一部持ってきて
「誰も来ないからチェックしてもらっていい?何かあったらメールして」
だって。

それでいいのか...。orz

 

青年海外協力隊は、(ボランティアなので当然かもしれませんが)真面目でやる気に満ちた人が多いので、こういう現地のノリに我慢できずイライラしちゃったり、自分だけ頑張っちゃって空回りしたりします。

が、変えようとして変わるものではないので。

自分も一緒になってのんびりしてしまうのが一番かもしれません。

焦ってもいいことないですから。

 

...なんて南の島に染まってると、帰国して日本の生活に戻れるのか不安だったり。笑

 

↓学食の新?メニュー、ドライカレー(本文関係なし)。

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学食にしてはちょっと高めのWST6(≒\270)。

いつもWST5だけ持って買いに行くので、前に遭遇したときは買えなかった。

とにかく量が多い!

でもおいしいから食べちゃう。

ヤバいぞ、摂取カロリー。汗

外国で現地に馴染むコツ

このブログは自分からはどこにも発信せず、割とこっそり書いていたのですが。

ここ最近、なぜか急にアクセス数が上がっていて、ちょっと怯えています。笑

...と言っても、隠れて書いているわけでもないので、見つけて読んでいただいて感謝です。

どこかでご紹介いただいてるのでしょうか?

ありがとうございます。

 

勤め先(サモア国立大学)は後期の開講に向けて、やや活動的になってきました。

と言っても、17日から始まるのに、日本とは比べ物にならないユルさですが。笑

 

先日は全体職員会議が開かれました。

前後期の間に人員の増減があったので、新人紹介がメインです。

おそらく全体で400名以上のスタッフがいるのですが、タイミング的に休みを取っている先生も多いので、集まったのは300名弱くらい。

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↓上の写真ではよく分かりませんが、サモアらしく、巨大なオープンファレです。

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理学部にも新人が数人いるのですが、まだ誰も勤務を始めておらず。

ウチは誰もいないね、なんて思っていたら。

学部長が「84、あなた初めてよね?あいさつして」と。

えー?もう赴任して4ヶ月以上ですけどー。汗

が、前期の全体職員会議の際はいなかったので、たしかに初めてです。

 

...こういうのが得意で好きって人もあまりいないでしょうが。

もちろん私も苦手で嫌です。

が、青年海外協力隊としては、こういう時こそ積極的にいかないと。

ということで、前に出てあいさつしました。

まぁもちろん二言三言なので、時間にすれば20秒くらい?

わずかな時間でしたが、優しいサモア人は大ウケしてくれました。

席に戻る間も、理学部の先生たちが「良かった!」「面白かった!」と言ってくれて。

他学部の知らない先生も声をかけてくれたり。

ホント、サモア人の人柄にはいつも助けられます。

 

が。

ウケたのは内容ではなく、多分間違いなく、サモア語でしゃべったから。

超カタコトでしたが...。

外国人は他にも何人かいたのですが、サモア語であいさつしたのは私だけ。

サモア語を学ばずに来ている人はしょうがないかもしれませんが、Peace Corp.(アメリカのボランティア)なんて、JICAよりしっかりしたサモア語研修を受けてるのに。

そういう英語で話す人たちには、まばらな拍手が起きるだけで、特に盛り上がったりしません。

 

まぁ考えてみれば当たり前です。

日本に来た外国人が英語であいさつしても、別に盛り上がりません。

もちろん特に悪い気もしませんが。

でも、どんなに拙くても日本語であいさつしたら、印象が全然違いますよね。

 

これは海外旅行でも同じで。

英語が通じるとしても、そりゃ現地語のほうが断然いいです。

タンザニアではスワヒリ語

ロシアではロシア語、

エチオピアではアムハラ語、

ブータンではゾンカ語、

イランではペルシャ語

「こんにちは」と「ありがとう」だけでいいから、現地語でニコッとして言えば、どこの国でも優しく接してくれます。

 

前回の協力隊でタンザニアに赴任したとき、真っ先に先輩隊員に言われたのが

「とにかくあいさつ。あいさつさえしとけば「アイツはいいヤツだ」ってなるから」

でした。

実際、タンザニアではあいさつが超重要視されていて、毎朝、他の先生たちとのあいさつだけで何分かかるんだよ!?ってくらいでした。

職員会議とか、集まってくる先生どうし、全員が長々あいさつを交わすので、いつ始まるの?と、不安になったり(実話)。

 

...それは極端な例としても。

多分どこの国でも、あいさつは大切ですよね。

特に、見るからに外国人!なんて時は。

「相手からあいさつされてするのは、あいさつじゃなくて返事だ」なんて言われたりしますが。

自分から積極的にあいさつするのが重要。

できれば現地語で。

 

これも逆を考えれば当然かもしれません。

ある日、隣に外国人(白人でも黒人でも中東風でもお好きなイメージで)が越してきて。

会うたびにニコッとして「オハヨーゴザイマス」とか「コンニチハ」って言う人と、

目が合っても特に何も言わず、軽く会釈くらいで通り過ぎる人。

そりゃ前者のほうが圧倒的に馴染みやすいですよね。

 

 

協力隊員でも稀にいるのですが、「援助しに来てやってる」的な姿勢の人。

自分からあいさつしなかったり、能動的に絡まなかったり。

これ、うまく行くはずがありません。

だって現地の人から見れば、何しに来たのであろうと余所者ですから。

まずは自分から馴染もうという姿勢を見せることが必須だと思います。

 

...って、ずいぶん偉そうに書いてますが。

実はタンザニアでは失敗しました。汗

先輩の助言もあって、勤務先ではちゃんとあいさつして馴染みましたが、住んでいたのが校内の教員住宅ということもあり、地域の人には消極的で、よく行く店の人を除いて、関係がほとんどなかったんです。

今思えば、もっと地域の人とも関係性を築けばよかったな...と。

 

サモアでは、積極的にサモア語であいさつした結果。

校門から自宅までの約700m、知らない人はほぼいません。

最初はあいさつだけから始まり。

サモア人はオープンで色々話しかけてくれるので、今では「日本人で、大学で電子工学を教えてる」くらいは、ほとんどの村人が知ってるかと。

近所の子供たちは通るたびに「おはよー!」とか声をかけてくれるし、道にいればハイタッチしてきたり。

大学の行き帰り、雨が降っていて村人の車が通ると「乗ってく?」と聞いてくれたり。

校門前の売店では、ビールの銘柄を覚えていて、顔を見るとサッと3本出してくれます。笑

 

 

もちろん、サモア人の気質に負うところが非常に大きいことは言うまでもありません。

が、カタコトながらサモア語をしゃべろうとする努力も、少しは認めてもらえたのかな?と思います。

 

ちなみに、職員会議での自己紹介は...

「私の名前は84です。日本から来ました。

サモア語が下手でごめんなさい。

ここに来られて、みなさんと一緒に働けて幸せです。

みなさんサモアの人たちが大好きです。

サモアのビールも大好きです。バイリマ*最高!

どうもありがとう」

でした。

サモアのビールのブランド

 

こんなので大盛り上がりしてくれて、ホント、サモア人は優しいですね。笑

アピアご飯

サモアの小学校は、10週授業+2週休みを4回繰り返し、残る4週がクリスマス休暇とのこと。

...って、年間12週休み!?

日本の小学生もそんなに休みだったっけ?

GWとか連休を加えても、サモアよりは少なさそうです。

ま、「南の島のハメハメハ大王」を地で行くサモアと比べちゃいけません。笑

 

なんて冗談ぽく書きましたが、サモアの子供たちは超働きます。

草刈り、掃除、洗濯、ごみ捨て、畑仕事、家畜の世話などなど、日本の子のお手伝いとは比べものになりません。

まさしく労働です。

しかも休み期間は教会学級があったりもするので、サモアの子にとっては学校のほうがよかったり?

 

...本題。

サバイイ島で小学校教諭をしている同期隊員3人が休みでアピアに上がってきていて、久しぶりにご飯を食べました。

と言っても、やっぱり6人全員が顔を揃えるのは難しく、集まったのは4人でした。

が、やっぱり、どの世界でも同期というのは不思議な絆です。

話は尽きることなく、あっという間の時間でした。

国内訓練など、過去を懐かしむ話もありましたが、今現在やこれからの話がメインになるのが協力隊員らしく、好きなところです。

 

行ったお店はフィリピン料理のKusina。

街中ですが通りに面していないので、知らないとまず辿り着かないお店。

初めて行きましたが、オープンファレで気持ちよく、おいしかったのでオススメです。

あ、屋根があるとは言え、外なので虫除け必須(お店でもスプレーを貸してくれます)。

 

↓魚のココナツクリーム煮 w/ナスと青梗菜(名前失念)。しょうがが利いておいしい!

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これとビール2本飲んで、WST30(約1,350円)くらい。

日本人にとっては全然許容範囲の値段ですが、サモア人には3,000円くらいの感覚。

レストラン等に入ると大体これくらい。

現地人的にはかなり高めだと思いますが、外食文化があまりないからOKなのか?

 

ついでなので、先日奮発したシェラトンホテルのディナーも。

そう。

サモアにはシェラトン系列のホテルが2つあり、1つはアピア港近くにあります。

ここから北側はクラブがあったり、ちょっといい雰囲気のバーやレストランがあったり、いわゆる観光客エリアです。

その先にはPalolo Deepもあって、ロケーション完璧。

なんとなくサモアにリゾートに来た人は、この辺だけでいいんじゃ?ってくらい。笑

 

私は滅多に外食しませんが、誘われたらなるべく行きます。

そんなときじゃないと贅沢しないので。

このときも、JICAスタッフの一人が持つメンバーズカードで25%オフになる!というお誘いを受け、喜んで参戦。

シェラトンのディナーは、アジアン、イタリアン、シーフード、ワールド?みたいな感じで曜日代わりだとか。

まず初回ということで、アジアンに行きました。

 

さすがはブランドホテル。閑散期の平日でも生バンドが。

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ステージ制ではなく、滞在した2時間以上、ずーっと演ってました。

これ毎日?すごいな...。

 

肝心の料理はブッフェスタイルで、和食も含めてどれもおいしく、大満足!

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このときもビール2、3本飲んで、WST65(約3,000円)だったかな?

メンバーズカード様々です。orz

もちろんそれでも高いですが、雰囲気も含めて、たまの贅沢としては大いにアリです。

次はシーフード!とメンバー一同盛り上がりました。

 

...あ、ここも屋根だけなので、虫除けは必須です。高級ホテルでも。笑

シャコ貝シュノーケリング

高熱を出す前日の土曜日は、Savaiaにシュノーケリングに行きました。

近隣には高級リゾートもある、とにかくビーチがきれいなエリアです。

金曜まで天気が悪く、延期も覚悟していたのですが、見事に快晴!

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映画のワンシーンみたいな、安定の美しさ。

これだからサモアはやめられません。笑

 

タイミングよく、潮が引いていく時間に行ったので、透明度も抜群。

遠浅のサンゴ礁を楽しみました。

 

ここの見所はなんと言っても、シャコ貝!

大きいものは1mを超える巨大サイズです。

↓奥に写っている人の足と比べるとよく分かるかと。

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大きいものだけでなく、アワビくらいの大きさから多種多様。

中には、こんなにきれいな模様の貝も。

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こんなのがゴロゴロ転がってます。

...が、もちろん天然ではありません。:p

2009年の津波の復興プロジェクトの一環でUNDPとgefの支援が入り、養殖を始めたとのこと。

もちろんJICAからも多額の援助が入っており、今はシニアボランティアが養殖の実験を指導したりしています。

でもシャコ貝を養殖して売るより、今みたいに観光に来る外国人からビーチ利用料(WST10≒450円)を取ってるほうが、よっぽど安定して儲かるんじゃないの?なんて。笑

 

ここは海岸線から湧き水が出ている影響で、汽水っぽい海域になっています。

塩水と真水が帯状に流れて混ざるので、周期的に水がユラユラして見えるのが玉に瑕。

水温的にも、温かい海水に安心していると、超冷たい真水の層が来て凍えたり。

が、海岸沿いに真水の天然プールがあり、塩水を流して上がれるのは便利でした。

 

↓こんなビーチファレで、持ち寄ったお昼食べて&ビール飲んで休憩。最高かよ。

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帰り道、ユル~いローカルリゾートでコーヒーを飲んだり、サモアのゆっくりした時間を満喫する、すばらしい休日でした。

 

まさか翌日から40℃近い熱が出るとは思わず...。orz

デング疑惑

先週...じゃないか、8日前の日曜日。

※前回ブログの報告会&送別会の翌々日です

朝、わりとすっきり目が覚めると、きれいに晴れてて。

「今日は洗濯して、買い物しに街まで歩いて下りて~」なんて考えつつ、朝ごはん。

 

...と、なんかダルい。

洗濯して干して、なんて間に悪化して、「やっぱり家でゆっくりだな」と。

ボーッと本読んだり、ムービー見て、でもお昼になってもお腹が空かない。

どころか、めちゃくちゃダルい。

もう体を起こしてるのが辛いくらい...。

 

あれ?おかしいなー、目覚めは良かったのに。ちょっと寝るか。

でも念のため、体温測っとく?

と思ったら...39.5℃。orz

 

...えーと。

暑い途上国で40℃近い熱が出たら、マラリアデング熱です。

最近はジカ熱もあるし、西ナイル熱とか、場所によってレアな地方病もありますが。

まぁでも真っ先に疑うのはどちらかでしょう。

で、サモアマラリアがない(原虫を媒介する蚊がいない)ので、デングです。

 

以前もチラッと書きましたが、マラリアは致死率が高いとは言え、最近いい予防薬ができたので、ここ何年かで隊員の罹患率は大幅に下がったそうです。

また罹ったとしても、抗マラリア薬もあるので、放置しない限り死ぬことはまずありません。

自分で採血してマラリアかどうかチェックできる、簡易キットもあります。

 

一方、デングは元々めったなことでは死なない病気です。

そのせいか、抗ウィルス薬も予防薬も開発されておらず、罹ったら「ひたすら水分摂って安静」しか手段がありません。

ということで、最近ではある意味マラリアより性質が悪いです...。

 

参ったなぁ、と思いつつ、寝込むこと2日。

その間、まったく食欲が湧かず、ひたすら水分を摂って寝るだけ。

でも体温は測るたび、39.4~6℃で変化なし。

 

ちなみに、マラリアやデングの可能性があるときは、アセトアミノフェン以外の解熱剤を飲んではいけません。

ロキソニンがよく効くから、なんて軽い気持ちで飲むと、逆に超悪化します。

ということで、飲めるのはタイレノールとかカロナールですが(日本)。

※海外ではパナドール、パラセタモール。

アセトアミノフェンって、日本では基本的に小児用?で、空腹でも飲める代わりに、効果が低いんですよねー。

今回は飲んでもせいぜい1℃しか下がらず、一度しか飲んでません。

 

火曜日になってチェックしても、デングに特徴的な発疹、目の充血、悪寒もなし。

ただただ高熱でフラフラして、頭と体中が痛い。

で、さすがにここでJICAに報告。

 

通常、JICA事務所には「健康管理員」という、看護師などの資格をちゃんと持った医療専門スタッフがいて、こういうときに助けてくれます。

が、サモアはフィジー事務所の「支所」扱いなので、健康管理員はいません。

ふつうは大使館にも医療系スタッフがいますが、小所帯で開所したばかりのサモアにはいません。汗

まぁ逆に言えば、それだけ平和で安全という意味でもあります。

...きっと。

 

ということで、ボランティア調整員に電話しましたが。

曰く、サモア中で高熱が出る風邪が流行っていて、隊員も何人もやられている&調整員自身もやられて、復帰したばかり、とのこと。

...報告会&送別会で一気に蔓延したか??

 

一応、予約を入れてもらって病院へ。

こんなときにサモアのタクシー文化はとても楽です。安いし。

病院と言っても、女医さんと看護婦さん1人ずつの診療所ですが。

...で、やっぱり流行り風邪だ、と。

抗生剤と解熱剤、咳止めシロップが処方され、「水いっぱい飲んで寝ろ」だって。

風邪ひいたときはどこの国でも同じですね。笑

 

抗生剤はAugmentin。

日本では処方されたことがない気がしますが、今回は合ってなかったんじゃ。

飲み始めて48時間経っても、役に立った気がしない...。

結局、木曜まで4日間、39度台の熱は続き、金曜にようやく体を起こしていられるように。

 

その間、体の全機能が停止したかのように、まっっったく食欲がわかず、お腹も空かず。

たまに目が覚めると、ただひたすら湯冷ましを飲み、薬を飲むためだけにバナナを食べて。

結果、すっかり病気ダイエットしました。苦笑

 

 

土曜日、ようやく起き出して、たまたま庭で会った大家と話してたら。

「ドクターに見てもらった?」

「あ、もう病院行ったよ。薬も処方してもらって、今はだいぶ復活だわ」

「いや、ウチの娘婿、ドクターだからさ、今度から診てもらうといいよ」だって!

その夕方、さっそく家まで聴診器持って来てくれました。

 

さすがに娘婿の職業までは知りませんでしたが、灯台下暗しですね。

丸々一週間死にかけましたが、今度(...があったら嫌だけど)からは、ますます安心です。

青年海外協力隊の本当の目的

昨日は帰国隊員4名の報告会&送別会でした。

内2名はサバイイ島の小学校教諭。

サモアは、首都のあるウポル島に人口のほとんどが住んでいて、面積はサバイイ島のほうが大きいですが、人口比は約8:2です。

 

以前も書きましたが、教育系のボランティアは、どこの国も田舎や僻地に派遣されることが多いです。

というのも、その国の教員たちが行きたがらないから。

首都では先生が余るくらいなのに、地方では教員不足だからボランティアが入る、という構図です。

国際協力ってそれでいいの?なんて考えてしまいますが、それが現実です。

 

田舎の生活はのんびりしていますが、その国の文化がより色濃く反映されます。

つまり、その国の真髄を楽しめる一方、文化的な摩擦や感覚の違いも格段に大きくなります。

さらにサモアの場合、地方隊員はホームステイなので尚更です。

話を聞いて想像するだけでも、本当に過酷で大変な生活だったことが伺えます。

 

ということで、この2名の発表は特に、涙を交えたものになりました。

ステイ先の家族と離れる寂しさ、

勤務先の教員との意識の違いに対する怒り、

生徒たちからの信頼に対する喜び、etc.etc.

発表する中でたくさんのことを思い出し、きっと色々な感情があふれた故の涙だったんだと思います。

 

それだけ真剣にサモアに相対したんだなぁと思って、ハッとさせられました。

私は2回目の協力隊だからか、年を取ったからなのか、そこまで怒ったり悲しんだりしていません。

サモアがこうだったらいいのに」「こうすればいいのに」は、日々たくさん思います。

でもそれをサモア人が望まないならそれでいいよね、と、諦めていると言うか。

だから特に感情を大きく動かされることもない。

ある種、割り切ってしまっていることを実感しました。

 

もちろん、どちらが正解という話ではありません。

が、若い隊員の純粋な思いやパワーを感じて、「これこそ協力隊だよな」と思ったのは事実。

別の帰国隊員も言っていましたが、「喜怒哀楽の波が人生で一番激しかった2年間」なんでしょう。

それは真剣に取り組んだが故の感情であり、だからこそ協力隊の経験は、きっと彼らの人生において大きな糧になるはずです。

 

...って、超上から目線ですが、実際私にとっても1回目の協力隊経験は非常に大きな糧になったと感じます。

 

青年海外協力隊の目的は、表向き「途上国を援助する」ですが、本当の第一義は「日本の若者を育てる」なんじゃないかと、真剣に思います。

「頑張って」はネガティブワード

青年海外協力隊は、派遣国に赴任する前に、国内で3ヶ月弱の訓練生活があります。

今は駒ヶ根と二本松に訓練所があるのですが、いずれも山の中。

途上国の擬似経験が目的か?と思うほど、なかなか不便な環境です。笑

 

ちなみに、訓練所は派遣国によって決まるので、自分では選べません。

両方を経験した私ですが、どちらにも良し悪しがあるので、どっちがいいとは言えません。

それぞれ、どっちも楽しかった!自分次第!!;-)

 

訓練所では、名前順にグルーピングされた、10~20名弱の生活班が決められます。

生活班は寝食など一番プライベートに近い時間を共にするせいか、同じ派遣国の仲間や語学クラスとはまた違って、家族・兄弟のような、不思議な絆が生まれます。

12年前に3ヶ月一緒だっただけの班メンバーも、いまだに付き合いがあったり、他の友人とは違った、ある種特別な関係です。

同期で付き合ったり結婚したりも、生活班が同じ、というケースが一番多いように感じます。

 

そんな生活班のメンバー(今回の同期)が、療養のため、日本に一時帰国することになったと連絡がありました。

病気だったりケガだったり精神的なものだったり、理由は様々ですが、そんなにレアではありません。

前回の参加時も、班のメンバーやタンザニア同期が一時帰国していました。

 

そこで、班でお見舞いの寄せ書きを作ろう!という企画が上がりました。

最近は何でもネットでできるので非常に便利ですね。

世界中に散らばった班のメンバーですが、LINEで連絡があって、WEBで寄せ書き。

あっという間に半分以上からメッセージが書き込まれました。

みんなの温かさが伝わって、自分のことじゃないのに感動します。涙

 

...ちょっと話は変わって、ようやく本題。

そんな時に、何気なく書きがち/言いがちなのが「頑張って」。

最近は「鬱の人に"頑張って"はNGワード」などのセオリーが浸透しているためか、そこまで安直に使われることはなくなってきたのかもしれませんが。

一昔前はいつでもどこでも何にでも、とにかく「頑張って」でした。

J-POPもそんな歌詞ばっかりの時期がありましたねー。

我々協力隊員も、派遣前にそれはもう数え切れないほどの「頑張って」を言われました。

 

日常的にも

「今日試験なんだ」「頑張って」

「今日面接なんだ」「頑張って」

「今日試合なんだ」「頑張って」

「今日デートなんだ」「頑張って」etc.etc.

山ほど言ったり言われたりですよね。

 

え?別におかしくないじゃん?と思った方。

ちょっと考え直したほうがいいかもしれません。

 

そもそも「頑張る」は、どちらかと言うとネガティブワードです。

だって「頑なに」「張る」ですよ?

全然ポジティブな響きがない。笑

 

冗談はさておき、辞書を引いても

「我意を張り通す」

「どこまでも忍耐して努力する」

「ある場所を占めて動かない」

とあります(広辞苑 第五版)。

 

Googleでも「忍耐して、努力しとおす」「ゆずらず強く主張し通す」です。

 

...こう見ると、「頑固」にも通じる感じで、いいイメージじゃないですよね?

少なくとも、自分で決めて好きなことをしようとしている人(協力隊員とか)に言う言葉ではないかと。

※あ、「頑張る」は当て字で、「我に張る」が由来という説があるとか。

 

海外生活の経験がある人や、外国人の友達がいる人。

「頑張って」を英語で言いたくて困った経験がきっとあると思います。

と言うのも、直訳でピッタリくる表現がないから。

それって「頑張って」が実は元々、ネガティブだからなんじゃないかと思います。

 

じゃ、英語圏の人は実際なんて言うか。

「今日試験なんだ」「Take it easy!」

「今日面接なんだ」「Good luck!」

「今日試合なんだ」「Do your best!」

「今日デートなんだ」「Enjoy!」

私が実際に聞いたことあるのは、こんな感じでしょうか。

つい使ってしまう日本語の「頑張って」も、こういう意味ですよね?

 

が!

辞書的には「頑張って」に、これらの意味はありません。

ま、言葉は時代とともに変わるものではありますが。

 

...であれば。

安直に「頑張って」ではなく、「楽しんでね」とか「リラックスして」とかのほうが、ポジティブな意味がストレートに伝わっていいな、と。

 

ということで、私はあるときから「頑張って」をやめました。

それはあるアーティストとの出来事が発端なのですが...長くなるので、またいずれ。笑