Notes in Apia

常夏の島サモアで暮らす、青年海外協力隊員の覚え書き

サモア最高峰、Mt.Silisiliへ!-4

最近どんどん忙しくなってます。

派遣先以外の活動や、新しい人間関係が増えたってのもありますが。

隊員イベントの企画や運営なんかに絡み始めたから。

当初は、協力隊2回目だし年寄りだし、今回は控えようと思ってたんですが。

やっぱりそういうのが好きなんですよね。笑

そりゃステージなら、観るより立つ/作るほうが楽しいし。

踊るより踊らせる、受身より能動的、コンシューマーよりクリエイター。

今までも&多分これからも、そっち側で生きていくんだろうな、と改めて。

 

ということで、ブログをサボりがちですが。汗

いい加減、Mt.Silisiliは今回で完結します!

ちなみに「silisili」は...main, principal, very great, supreme, almightyなんて意味です。

 

1~2日目

キャンプサイトは標高1,000mを余裕で超えるので、サモアとは言え夜は寒い!

ので、万全の体制で寝ました。

包まる寝袋とは別に、寝袋を2人で1つ借りて下に敷いて。

私は長袖Tシャツの上にTシャツ、ジャージ、レインジャケットを着て。

下は登山タイツに短パン、レインウェアの重ね履き。

これで楽勝! ...と思ってました。

 

が、夜中、妙に寒くて目が覚めると...。

なんと、テントのアウターが飛んでいきかけてる!

4隅を留めるタイプでしたが、3隅までも外れてました。orz

ガイドが立ててるのを見て「いかにも素人だなぁ、大丈夫か?」と思いましたが、寝る前にチェックするのを忘れてました。

しょうがないので寒い中、起き出して修正。

 他のテントも同様だったそうで、4テント中3つが何かしらNGだったとか。

 

さらに明け方、今度は強風で隅が持ち上がり、ペグが抜ける!

砂~砂利地で柔らかいのに、短いペグを手でグッと挿してるだけだったからなぁ...。

これまた起き出して修正。

なかなか大変でしたが、超早く寝たおかげで睡眠時間は確保できました。

テントさえ寝る前に修正しておけば、寒くもないし、完璧だったはず。汗

 

2日目

いよいよ登頂日!

...ですが、我々のペースが遅すぎるので、よく考えると下山がかなり遅くなりそう。

村からキャンプサイトまで8時間かけて登ってきたわけですが。

キャンプサイト~頂上は片道3時間だとか。

頂上までの往復と、キャンプサイトから村までを単純に足すと14時間!

朝6時に出ても20時着になってしまいます。

下りのほうが断然早いとは言え、暗くなる18:30くらいまでには下りたいところ。

 

...ということで。

昨日のうちに、ガイドが6:30出発と言うのを6時出発に変更してもらって。

まずは頂上まで行ってみて、その時間で判断しよう!と。

 

頂上アタック

朝食はマシポポ(ココナツビスケット)とみかんを配って、お茶も飲まず時間短縮!

...を狙ったんですが。

結局なんだかんだで遅くなり、予定通りの6:30出発。汗

↓この日も夜明けとともに!

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キャンプサイトと頂上への分岐点近くに重い荷物を置いて、軽装で行けます。

が、頂上まではまた熱帯雨林で、滑るだけでなく、かなり急峻です。

もちろん道なき道を行くので、距離はそれほどありませんが時間も体力も必要です。

↓しかも障害&アップダウンが多い!!

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結局3.5時間かかって登頂!!

...と言っても森の中なので、眺めがいい!とか、頂上感は一切なく。

木に付けられたコンパスが頂上の目印だとか。

↓これかよ!?簡単に付け外しできちゃいそう。笑

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が、東西両側に、木々の間から景色が見えるポイントがあって絶景が楽しめます。

Mt.Silisiliは頂上に雲がかかっていることが多いので、雲の切れ間から時々、ですが。笑

 

下山

みんなで記念写真を撮って、いざ下山!

濡れた苔で滑る上、急な下りなので転ぶ転ぶ!

多分、疲れで踏ん張りが利かないこともあるんだと思いますが。

みんな一度ならず転んで、足元は泥だらけ!

 天気は晴れてましたが、森の中はぬかるんでます。

 

が、やっぱり下りのほうが早く、荷物を置いた分岐点まで3時間弱で戻りました。

荷物番のガイドがさっと火を熾してくれて。

お湯を沸かして、ランチはカップラーメン!笑

寒くなくても、温かいものを食べるとやっぱり元気が出ます。

 

お昼休憩して再出発の時点で14時前。

車道の終点までは、急いで降りても4時間はかかりそう。

さらに村まで歩いたら、とても明るいうちには戻れそうにありません。

そこで、車道終点まで車の迎えを頼むことにしました。

ガイドに聞いたら、WST50(≒2,300円)と結構高め!

...ですが背に腹は替えられません。

8人で割ると一人300円弱なので、2時間で登ったことを考えれば十分許容範囲です。

ただ、ここでは携帯の電波がなく、村に連絡できません。

なので、断然早く降りられる2人(トレラン&体育隊員)が先に下り、電話してもらうことに。

頼もしいメンバーがいて、ホントに心強い!

 

残る6人も、無理しないまでもなるべく早く下ります。

が、なんと私は派手に転んだ際に膝を強打し、めちゃくちゃ痛い!

休憩の度に若干良くなるんですが、10分も歩くとまた痛い。

かばって歩くからか、マラソンのときに痛くなった膝(反対側)も痛くなってしまい...。 

後半はけっこう地獄の行程でした。orz

 

が!

最後の力を振り絞って歩き続け、なんとか暗くなる前に車道終点にたどり着きました!

みんな、かなり疲れてましたが、6時間弱で登った道を4時間で下りられました。

若い女性たちは弱音を吐きつつも、下りは結構なハイペースで。

ダメダメだったのは私ともうひとりの男性隊員でしたってオチです。笑

 

続く地獄

日没まで30分足らず。

私は膝の痛みが限界だったこともあり、迎えの車は?と見回すも影も形もありません。

嫌な予感がしましたが、ここまで先に下りて電話してくれた隊員曰く

「ここまでは来られなくて、150mくらい下に停まってるらしい」と。

...ま、150mが仮に1.5kmだったとしても、根性で歩けない距離じゃない!

そう思って、足を引きずりながらも車道を下り始めました。

 

が...。

行けども行けども車がいない!

元気な人たちには先に行ってもらったのですが、その人たちからの連絡もなし。

これは...車なんて来ないぞ...。

そうこうするうちに、もちろん辺りは真っ暗です。

山の中なので灯りなんてもちろんなく。

やっぱり星空は超きれい!...でしたが、そんなこと言ってる場合じゃありません。

ガイドが枝を切って作ってくれた杖を両手に持ち。

これまたガイドが携帯で照らしてくれる道を必死に進みます。

2時間で登った道ですが、膝が痛くて遅々として進まず。

村には何時に着けるやら...。

 

で、細かい経緯は省きますが。

帰りが遅くて心配になり登ってきたマタイに状況を話して、急いで村に戻ってもらい。

今度こそ車を呼んでくれました。

 先に電話したときには、どうも別件で使ってて呼べなかったみたい。

途中で孤立していた女性隊員2人も拾って、一気に村まで!

車って速いな、楽だな、発明って素晴らしいな。笑

 

ここでも先行していた健脚チームを抜いたのは村直前!

彼らはちゃんと歩いて村まで戻りました。

が、全員が村に戻ったのは結局20:30。

苦楽を共にしたガイドたちと別れを惜しむのもそこそこに、急いで移動です!

というのも、予約したホテルの夕食は21時まで!!

その途中、ビーチファレに置かせてもらった荷物もピックアップしないと。

21時には絶対間に合わないので電話を入れると、待ってくれるとのこと。

 こうなることを見越して、夕食も先に電話で発注済でした。

 

打ち上げ!

この日の泊まりは、私のサバイイ島の定宿となりつつあるThe Savaiian Hotel

私を覚えてくれていて、予約の時点から2割引のオファー!

到着は22:30を回ってしまいましたが、ちゃんと私たちのためにテーブルセッティングし、バーも開けて待っていてくれました!!

着いた時こそ、顔見知りのスタッフから「どれだけ特別か分かってるよな?」なんて言われましたが。

「まずはゆっくりご飯を楽しんで!」と気持ちよく給仕してくれました。

他のスタッフたちも、最後まで嫌な顔ひとつせず。

これって日本だったら当たり前かもしれませんが、サモアでは超!激レアです。

ホント、お世話になったから言うわけじゃありませんが...

安いし雰囲気はいいしご飯はおいしいしスタッフはフレンドリーで超オススメです!!

 

翌日も、プール入ったり、昼前からビール飲んで、みんなでゆっくり。

歩けないかも?と心配していた膝も、すっかり復活!しました。

↓この日もいい天気!ビール最高!!

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↓激戦を物語る靴たち

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まとめ

以前タンザニアキリマンジャロに登ったときも思いましたが。

ますます隊員が好きになりました!

企画&運営してくれて、何事も率先して動いてくれた人、

実は山ガールで、後ろを気遣いながら、いいペースで先頭を引っ張ってくれた人、

家で試作までして、山の上なのに超おいしいご飯を作ってくれた人、

くだらないことを言いながら、ムードメーカーとして盛り上げてくれた人、

超疲れて余計な動きなんかしたくないはずなのに、落ちてたゴミをそっと拾う人etc.

みんなのいいところをたくさん感じられて。

登ってよかった!このメンバーでよかった!!と、心から思います。

本当に感謝!!

 

個人的には...年取ったなぁ、と。

行程的にはキリマンジャロより断然楽なのに、むしろ、より疲れた気がします。

膝も痛くなって迷惑かけたしなぁ...。汗

...ま、筋トレに内転筋メニューも加えたので、少しずつ改善すると信じて!

翌日にはすっかり復活したのも好材料かな?

まだまだイケるぞ、オレ!! ←年寄りの空元気。笑

 

そしてサモア人ガイドの身体能力に驚愕!

先行して下りてくれたトレイルランナー曰く、自分より全然速かった、と。

...え!?ちゃんとトレーニングして、アマチュアでは相当速いのに?それより速いの?

ガイドたち、重い荷物も背負ってるのに。

しかも!足元はビーチサンダルか裸足なのに!?

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彼らがちゃんとトレーニングして、装備も整えたらどうなっちゃうんでしょう。

途上国には埋もれてる才能が山ほどありそうですね。

 

↓一緒に登った犬たち。サモア語で1から5と勝手に名付けた我々。かわいい順。笑

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