Notes in Apia

常夏の島サモアで暮らす、青年海外協力隊員の覚え書き

とうとうやられた...。

私の家は、家主の娘夫婦の家と同じ建物です。

もちろん内部では通じておらず、玄関・勝手口はそれぞれ別です。

敷地は金網で囲まれていますが、隣に住む家主の敷地との間にだけは通路があって。

その通路は常に開放されているので、道路まで出ずに行き来できます。

ピンのある銀色の屋根から、次の赤い屋根の半分くらいが我が家。

北側半分が家主の娘夫婦宅。

さらに北側にある逆L字の緑屋根が家主宅。

こうやって見ると、やっぱりこの2つの敷地だけ庭が広いです(家から道路までのエリア)。

 

ちなみに、南側に隣接した大きな敷地がマタイ(酋長)の家。

村の一番奥まったところに最大の敷地を持つあたり、マタイの地位を感じますね。

 

家主は4匹、娘夫婦は3匹の犬を飼っていて、計7匹が敷地内を自由に移動できます。

が、基本的にはそれぞれの敷地にいるので、娘夫婦の3匹はとても私に懐いています。

まぁ内2匹は初日から人懐こかったし、残る1匹も、3ヶ月も経てばさすがに慣れます。

最近は、家に帰ると3匹でゲートまで迎えに来てくれたり、とてもかわいいです。

私が昼間いるときは、我が家のテラスで涼んでることも多いし。

さっきも私が鍋のフタを落として「ガラガラ~~ン」と大きな音がしたら。

こりゃ一大事!と慌てて駆けつけて、隣の敷地に向かってワンワン吠えてました。

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すまん...犯人はオレだ。笑

 

先日も同じように、帰ると3匹がゲートまで迎えに来て。

足元にじゃれつかれながら家に向かうと、家主宅のお手伝いさんが庭仕事中。

で、そこに家主の犬も一匹。

このとき、家主の犬がこっちの敷地に来るのは珍しいな、とは思いました。

が、特に気にすることもなく、お手伝いさんにあいさつ&ちょっと立ち話...

というタイミングでいきなり!

襲いかかってきました...。驚

 

全然警戒していなかったので、不用意に近づきすぎたのかもしれません。

うなるなど、威嚇することなく、本当に突然です。

たまたまダボっとした長めの短パンを履いていたのと、ギリギリで身をかわしたので、幸いにも咬まれることはなく、ちょっと牙が当たって2cmほど皮がめくれただけで済みました。

が...短パンは裂けちゃった。orz

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家主の犬は、毎日のように会うわけではありませんが、家主宅にはちょこちょこ行くし、もちろん家主側の敷地に入っても吠えたりしないので、安心しきっていました。

でも、この犬にとっては、私は見知らぬ人のままだった?

それとも自分のテリトリーじゃないところで遭遇したからテンパった?

家主は「あの子はすごいヤキモチ焼きで、他の犬をかわいがってると私にも怒ってくるのよ」なんて言ってましたが。

...それにしては、攻撃的すぎない?

 

犬好き・犬慣れを自認していましたが、人生で初めて傷を負わされた犬が、まさか身内とは...。涙

それなりにショックが大きいです。

 

日本の飼い犬は、ほとんどの場合、人を攻撃しません。

というのも、人を怖がってないから。

日本では誰も犬に石を投げたり、蹴ったりしないですよね?

だから例えば、公園で初めて会う犬でも、簡単に頭とかお腹を触らせてくれます。

そもそも警戒心の強い犬種は人気がないというのもあります。

 

が!

サモアの犬は、基本的に人を怖がっています。

日常的に石を投げられたり、蹴られたりしてますから。

なので、信頼関係を築くまで、相当時間がかかります。

我が敷地の3匹も、いまだに1匹だけは、頭を撫でようとすると一瞬ビクッとします...。

私が叩かないことは理解しつつも、これまでの経験から、本能的・反射的に怯えてしまうんだと思います。

 

早くサモアの犬が、家畜ではなく、ペット・家族として扱われますように。

 

 

...家主には、さしあたって敷地間の通路を基本クローズにするよう依頼しました。汗

人がいいのも考えもの

何度か書いている通り、サモアではボッタクリを警戒する必要はありません。

市場や露店、屋台など値段表示がなくても大丈夫ですし、両替でもダマそうとする人は皆無です(多分)。

たまーにタクシーで、事前確認してない時に割り増した額を言われるくらい。

それでもアピア内だとせいぜい500円とかそこらです。笑

...もちろん頭にはきますが。

 

が、サモア人は悪気は全然なくても、お釣りをよく間違えます。

一般的に、計算が超絶苦手だから。

って、これはおそらく途上国あるあるで、だからこそ協力隊の案件に「理数科教師」が多いんでしょう。

「小学校教諭」も、理数系教科を教えることになるケースが多いようです。

 

お釣りを間違える、と言っても、サモアでは多く間違えることがほとんどです。笑

多分、「ん?よく分かんね!多い分にはトラブルにならないだろう」みたいな思考かと。

今日もスーパーでWST43.40の買い物をして、WST100.40出したんですが...。

WST100札だけ見て、レジを打ってしまったんです。

当然、レジの表示は「お釣り WST56.60」と。

で、「いや、.40あるよ」と言ったら、しばらく悩んで、なんとWST60返ってきました!

「いやいや、多いよ!WST57だよ?」

またしばらーく悩んで、レジのもう一人と「お釣り56.60だけど、.40あるから...」と話し合い。

結局、「計算すごいね!」と言って、正しいお釣りをくれました。笑

 

...この純朴な人たちが、悪い外国人に騙されませんように。

 

↓本文とは関係なし。カップ麺は滅多に食べませんが、おいしかった!

   ベトナムトムヤムクン味。

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Palolo Deep

昨日は、シニアボランティアに誘っていただいてシュノーケリングへ。

最近は快晴の日が多く、ちょうど海に入りたいと思っていたので、渡りに船!と飛びつきました。

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JICAボランティアは、応募時39歳以下のジュニアボランティア(JV、いわゆる青年海外協力隊)と、40歳以上のシニアボランティア(SV)に分かれます。

   ※他に短期ボランティアや日系社会ボランティアもあります。

JVとSVは待遇などがけっこう違っていて、SVは家族帯同OKなのですが、実際に家族で来る方は少ないです。

まずは派遣国の治安面が大きいでしょうが、お子さんたちの教育面もあるでしょう。

でもやっぱり最大の理由は、途上国の暮らしに対する漠然とした不安なんじゃないかと。

治安のいい国で、お子さんが独立している方でも、奥様を残して単身赴任というケースが多いです。

が、個人的には、状況が許すなら一緒に滞在することをオススメします。

あまりできる経験じゃないですし、多少なり、ものの見方が変わるんじゃないかと。

 

その点、この方はタンザニア隊員OBで、かつ奥様もコートジボワール隊員OGだけあって、途上国暮らしに慣れているせいか、ご家族でサモア住まい。

   ※派遣国が違う隊員同士の結婚もよくあります。同期とか、都道府県が同じとか。

3人の娘さんもアピアの学校に通っていて、内2人は我がNUS理学部!

私としては、他の先生の授業の様子や感想などを聞けるのでありがたいです。

って、成績とかバレてしまうので、彼女たちはやりにくいかもしれませんが...。笑

 

シュノーケルは、赴任直後の海洋実習で行ったPalolo Deepで。

ここは遠浅のサンゴ礁が続いた後に「Deep」と名前どおりのドロップオフがあって、波もおだやかなので、老若男女&初心者からベテランまで楽しめる、非常にいいポイントです。

自宅から歩いても行けるくらい近いのも重要。笑

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前回は雨季だったので曇り空でしたが、今回は快晴!

タイミング的には満ち潮で、やや濁りがちでしたが、太陽光のおかげで海中も明るく、視界はけっこうありました。

実習じゃないので、最大80mとも言われるドロップオフまで自由に行けるし、大満喫です。

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1本終わって休憩中、撮った写真&ムービーを見せたら、「クマノミいるの!?」と。

「そんなにレアじゃないですよー。割とどこのサンゴ礁もいます。見つけたら声かけますねー」なんて言ったんですが。

いざ探すと全然いない!

結局、その後は見つけられませんでした。汗

ホント、野生の生物は一期一会ですねー。

 

...って、ちゃんとポイント覚えておかないと!笑

 

↓触ろうとしちゃダメ。

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↓触っちゃダメ

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通じる英語のコツ

今日はこの記事↓にインスパイアされました。

 

...期せずして3回連続で語学の話になってしまいましたが、今日で一旦終わります。汗

 

前置き

サモア人の英語は、「実は文法・発音ともにメチャクチャな人が多い」なんて書きましたが。

ローマ字読みの発音に近いので、日本人には聞き取りやすいと思います。

というのもサモア語は、母音がa, e, i, o, uの5つだけで、子音もf, g, l, m, n, p, s, t, vの9つだけなので。

50音で育った日本人とは親和性が高いのかもしれません。笑

 

だからなのか、発音の弱点も共通します。

よく言うL / R、B / Vもそうですし、特に弱いのがs / sh / th。

日本語には「つ」という音があるからか、日本人は割とthは区別できます。

が、サモアのsはshの発音しかないので、s / sh / thを区別しない(できない?)人が多いです。

 

母音も同様で、appleなどは、aかe、どちらかで発音されたり。

「further / farther / father」や「all / owl / oar」なんかは、完全にお手上げ。

...って、我々日本人も苦手ですよね。

英語上級者を自負する人でも、意外と自信持てないんじゃないでしょうか?

 

特に困るのがアクセント。

例えば「thirteen / thirty」はパッと聞き、nの有無よりアクセントで判断しますよね。

でもなぜかサモア人は強勢の前後を逆に覚えてる人が多いようで。

スーパーで会計時、「50.19タラ」と言われ、「えぇっ!?」と思ったら「15.90タラ」だったり。

最近はもう、耳で聞いた値段より、自分の買い物感覚を信じるようになりつつあります。笑

 

文法も

「Are you going there now?」「No. After.」とか、

「Who make this?」「He and me made it.」とか。

afterだけだと、何の後だよ?って思いますよね。

言いたいのは「later」なのでしょうが...。

2例目も、文法的には状況によってmakesかmadeですが、サモア人は気にしません。

特に「3単現のs」(←懐かしい)はよく省かれます。

答える側も、meではなくIが正しいですが、文の頭に何かが付くと、主語の「I」が「me」になってしまうことも多々あります。

 

...でも通じますよね。

前回も書いたとおり「通じればいい」というのは好きではありませんが、大切です。

間違うことを恐れるよりは、まず伝えることを優先させたいです。

 

...前置きがずいぶん長くなりました。汗

ということで、私が20年くらい温めてきた「通じるコツ」を少々。

英語ネイティブ/非ネイティブ問わず、イケるはずです。

責任はもちろん取りません。笑

が、手っ取り早く「世界的に通じる発音」を覚えるなら、多少は役立つかな?と。

ま、あくまで「この人はこうやって乗り越えてるのね」くらいで考えてもらえれば。

 

まずは定番「R / L」

基本的に何でも強調しましょう。

恥ずかしがっちゃダメです。

例えば「R / L」。

イタリア人の友人で「Rodrigo」ってヤツがいるんですが。

初対面で名前を聞いて「ロドリーゴね」と復唱したら、「違う違う!」「rロドrリーゴだ!」と。

もう思いっきり巻き舌なんです。

ふざけてるんじゃないかってくらい。

で、真似して(バカにしてんのか?ってくらいの巻き舌で)「rrロドrrリーゴね」と言ったら、「そうだそうだ」とニッコリ。

これは目から鱗でした。

分かりやすさは大事です。

「rice / lice」「river / liver」など、Rはアホみたいな巻き舌で、Lはカタカナでラリルレロ。

これで間違いなく通じます。

 

巻き舌できない人のR

でも巻き舌ができない人もいますよね。

そういう人は、Rを「ガギグゲゴ」に近く発音すると通じます。

マジです。

「ラリルレロ」を忘れてください。

 

これはフランス人から学びました。

彼らはRを喉を鳴らして発音するので、「ガギグゲゴ」的に聞こえます。

フランス映画を見てても「Paris」は「パギー」に聞こえませんか?

ということで、試しにRをガ行っぽく発音したら、よく通じた、と。

巻き舌には劣りますが、ラ行発音よりは絶対マシです。

「river」は「リバー」じゃなくて「ギバー」のほうがいいです。

 

「B/V」も同じ

Bはバビブベボですが、Vはマジで下唇噛む。

噛んでる前歯を相手にガッツリ見せるくらいの勢いで。

視覚から「vだぞ!」とアピールする。笑

「bend / vend」は「ベンド / ヴェンド」です。

これで自販機を「曲げ機」と言わずに済みます。

 

難関「s / sh / th」

shは簡単。サシスセソでOKです。

 

sがやや難ですが、小さい「シュ」を前に付けるイメージが一番良さそうです。

「see」を「スィー」と表現する人もいますが、個人的にはちょっと遠く感じます。

どちらかと言えば「(シュ)イー」のほうが、(経験的に)よく通じます。

 

thは難しくないと思っている人も多いかと。

が、「sin / shin / thin」を発音して、と言われたらどうですか?

カタカナ的に書くなら「(シュ)イン」「シン」「スィン」ですが。

thはタ行やザ行を混ぜるくらいのイメージで明確にすると通じやすいです。

「think」は「ツィンク」「ズィンク」的なイメージ。

ちょっと田舎くさい響きですが...サモアで必要に迫られて編み出しました。

これで「sick / thick / schick」も大丈夫。薬局で間違わずカミソリの替え刃買えます。笑

 

アクセント

アクセントも、日本人は弱いって言われますよね。

でも実は、ただ伸ばせばいいだけです。

アクセントのあるところを伸ばして、ないところを伸ばさない。それだけ。

例えば「thirteen / thirty」は「ツァティーン / ツァーティ」。

平坦に発音しても、伸ばすとアクセントに聞こえるので、まず通じます。

「コーヒー」みたいに日本語になってる単語は、惑わされがちですが。

「コーフィ」と、アクセントだけ伸ばして、他は短くするのがコツです。

「カフェ」も「カフェー(米)」「カーフェ(英)」と。

 

イントネーション

10代で初めて海外に行って、自分の英語が通じない時に、いろいろ模索した結果。

ドイツ人の友人を真似して喋ると通じることが多いと気づきました。

慣れてくると、ついネイティブっぽく喋ってカッコつけたいんですよね。笑

そうすると、前後の単語をつなげたり、結局変なイントネーションになることが多く、伝わらない。

ここでドイツ人の友人。

彼はリズム重めで、割と一単語ずつはっきり区切って発音してました。

 

「通じる」ことが大切なので、下手に演出した「ネイティブっぽさ」はむしろ邪魔です。

まずはゆっくり明瞭&丁寧に発音する。

早く喋ろうとするのはNG。

文全体のイントネーションは、あまり気にしないほうが結果的に良いことが多いです。

 

情報量!

あとは、なるべくたくさん喋って、察してもらうことです。笑

サモアで秤を買おうとして「Do you have weighing scales?」と聞いたら、巻尺が出てきました。

多分「weighing」が聞き取れないか理解できず、「scale」だけ拾ったんでしょう。

が、ここで「いや、weighing scaleだよ!」って言ってもダメです。

原因が私の発音なのか、相手の単語力・聴解力なのかは分かりませんが、通じないことを何度も言うのは無意味です。

なので「I'd like to measure weight」とか「for measuring 100g」とか言い替えたほうが通じます。

 

以前、日本で外国人に「オミ行きたい。オミどこですか?」と尋ねられ、意味不明だったんですが。

「オミ!オミ!」と繰り返す一人に対し、もう一人が「水いっぱいある」と言ってくれたので、「あ、海ね!?」と分かりました。

このように、相手の推察力に頼るには、情報をたくさん出すことです。

 

結語

長くなってしまいました...。汗

英語が超できる人にとっては異論も多々あるかと思いますが。

世界中いろんなところを旅して覚えた「通じるコツ」です。

いかにも非ネイティブの英語でいい、とにかく伝えたい、という人には試す価値あるかと。

 

「これが正しい英語でござい」的な本やWEBサイト、ブログ等、山ほどありますが。

そもそも「正しい英語」なんてないんですよ。

アメリカで覚えた人は「米語こそ正しい!」って思ってたりしますが、ネイティブでもイギリス、フィリピン、オーストラリアじゃ、全然違うし。

そもそも、同じ国でも地方によって全然違いますよね。

日本語だって、アナウンサーの話す日本語だけが「正しい日本語」なんですか?と。

もはや英語は世界言語なので、「これが正しい」なんて言うと、自分の了見の狭さをアピールするだけです。

 

...完全なる開き直り。汗

 

開き直ったオッサン英語の世界へようこそ!笑

日本人は英語が話せない?

サモア国立大学に配属された当初、けっこう多くのサモア人から「日本人なのに英語が話せるじゃん!?」なんて言われました。

「今まで会った日本人は、ちょっとしか話せなくて、意思の疎通ができなかった」とか。

まぁ、やたらと人を持ち上げてくれるサモア人なので、話半分としても。

サモア人にとっても「日本人は英語が話せない」という印象なようです。

 

...と言っても、私が話したのなんて

「名前は?」「84motoです」

「いつまでいるの?」「2年間」

「学部は?何教えるの?」「理学部でエレクトロニクス」

「家族はいるの?」「日本にいるけどサモアでは一人で暮らすよ」

とか、そんなもんです。

ほぼ中学レベル。笑

 

私がネイティブのように流暢に話せるかって言ったら、決してそんなことはなく。

むしろ、ケンカしたりバーッと喋るときは、かなり文法メチャクチャです。

しゃべりながら頭の隅で「うわ、間違いまくってるぞ」なんて思うくらい。汗

 

で、そんなこと言うサモア人は、というと。

ストレスなく単語がスラスラ出てきて、パッと聞きは流暢ですが。

実は文法・発音ともにメチャクチャな人が多いです。笑

 

同じアジア人の中国人や韓国人にも「日本人は英語喋れないよねー」とか言われますが。

彼らの英語もよく聞くと、大半は同じくメチャクチャだったりします。笑

 

...あ、もちろん、ネイティブか!?ってくらい、きれいな英語を話す人もいます。

サモア人も中国人も韓国人も。

でもそれは日本人も同じ。

その割合が違うって言えば違いますが、どこの国でも少数です。

 

じゃ、何が違うか。

思うに、「勢い」じゃないかと。

正しい英語かどうかなんて気にせず、ガンガン話すか否か。

実はそれだけ。

英語の文法的な理解とか単語力とか、それほど大差ないんじゃないかと。

 

日本人はどうも内弁慶と言うか。

「相手に迷惑をかけない」という気質が強すぎて、「間違った言葉で話せない」ように感じます。

「自分の言ってることが相手に分からなかったら困らせてしまう」みたいに。

その気質自体に罪はなく、世界中に誇れるレベルで素晴らしいんですが。

でも「とにかく外に出さないと伝わらない」んです。

よく「日本人は自己主張がない/弱い」と言われるのも、この辺りから来ているのかと思います。

 

「出川イングリッシュ」、かなりネタにされ&バカにされてますが。

あれこそ日本人に足りてない「勢い」じゃないのかなぁ、と。

...って、またイッテQの話題で恐縮です。汗

 

初めはメチャクチャでいいんです。

だって外国語なんですから。

流暢に喋れるはずがない。

とにかく伝えようとして頑張ることが第一歩でしょう。

協力隊員は否応なく、そうせざるを得ない環境に放り込まれます。

だからみんな2年間でビックリするほど喋れるようになるんだと思います。

 

言語を習得する上で「伝わりさえすればいい」という考え方は、個人的には好きではありません。

が、ファーストステップとしては、非常に重要だと思います。

喋っているうちに、相手に分からせることができるようになる(=正しい文法・発音に近付く)し、昨日も書いたように「頭の中から英語」の時間が増えるので、上達も早くなるんだろうな、と。

 

日本で困ってる外国人がいた時とか、海外旅行に行った時とか、もっとガンガンいきません?

「日本人は英語を話せない」なんて思われてるの悔しいじゃないですか。

多分たいして実力変わらないのに。笑

 

↓インド人による教員セミナー。英語うまい。左奥の「温故知新」に注目!笑

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外国語をとにかく早く覚えるには

昨日から大学が前期のテスト期間に入りました。

基本的に1つの試験は3時間で、朝9時からと昼2時から。

来週の金曜日まで2週間テストで、後期は7月第3週からなので、1ヶ月以上休み。

生徒は。

教員は採点や後期の準備、会議などがあるので休みではありません...。orz

 

学生はいいなー、なんて思いつつ。

このサモア生活は、日本で働いている人からすれば、2年の休みみたいなもんだろうな、と。

...誤解を恐れず言えば、確かにそんなもんです。笑

 

ですが、協力隊は日本にいたら得られないものがたくさん得られます。

そのひとつが語学。

特に現地語。

英語などメジャーな言語は、日本にいても、やる気次第で学習できます。

が、サモア語、ラオ語キルギス語etc.を学ぶのは、かなり難しいですよね。

 

協力隊に合格すると、まずは日本で3ヶ月弱の訓練生活です。

派遣国によって、二本松か駒ヶ根(いずれも山の中)にある訓練所で合宿生活します。

内容は色々ですが、メインはもちろん語学。

朝から昼過ぎまで、活動で使用する言語をみっちり習います。

しかも、どんなマイナー言語でも、(多分)すべてネイティブから習えます。

日本で外国語(特にマイナー言語)を学ぶ上で、こんなに理想的な環境は他にないんじゃないでしょうか。

訓練が終わる頃には、みんな初めて習った言語とは思えないくらい喋れるようになってます。

 

私は、と言うと、前回も今回も英語クラスでした。

なぜなら、訓練言語は「活動に使用する言語」だからです。

タンザニアでもサモアでも学校教育は英語なので、英語を習う、と。

これはこれで英語が伸びるのでありがたいです。

 

が!

実生活に使う言語は、その国の言葉であることが多いです。

例えば、市場で買い物するのは、タンザニアではスワヒリ語サモアではサモア語です。

途上国では、政治や教育の場での公用語と、一般生活の場での公用語が異なることがよくあって。

前者はたいていの場合、統治国の言語で、英語の他、フランス語、スペイン語ポルトガル語などですが、観光地やホテル、富裕層など以外には通じないことも多いです(特に地方)。

なので、そういう派遣国では、赴任してすぐ、現地語訓練があります。

タンザニアでもサモアでも、2週間の授業を受けました。

でも50時間で覚えた言語なんて付け焼刃もいいとこですよねー。

タンザニアでは、授業後の職員会議からスワヒリ語だし、買い物もスワヒリ語で。

最初はまったく何を言っているのか分からず、必死で覚えました。

生きるために。笑

 

サモアでは、職場ではほぼ完全に英語です。

NZとかOZ、中国の先生もいるので、会議なども英語。

さすがサモア唯一の国立大学!

買い物なども、外国人の多い首都に暮らしていることもあり、英語だけで困ることは滅多にありません。

 

ただ...そのおかげでサモア語をすっかり忘れてしまいました...。

けっこう真面目に勉強したんだけどなー。

しかも悪いことに、スワヒリ語に似てるんです。

子音の後は母音とか、たいてい後ろから第2音節にアクセントとか。

同じ言葉を2回繰り返す単語(polepole、noanoa等)とか。

ほぼローマ字読みでOKな発音も同じで、文法も英語系で似てる。

なので、綴りも発音も同じなのに、まったく違う意味の単語がたくさん。汗

とっさの場合に、本当に混乱します。

 

さらに、いつのまにか頭の中で「まず英語→通じなければスワヒリ語」というスイッチができていたらしく、英語が通じないと、いまだにスワヒリ語が出そうになります。

サモア語は、一生懸命思い出しながら頭の中で文を作って、やっと口に出す感じ。

 

いつになったら頭の中がサモア語で上書きされるんだ...。

サモア語のほうが最近習ったし、使用頻度も断然高いのに!

と思いましたが。

よく考えると、10年前とは言え、スワヒリ語は曲がりなりにも2年間毎日話していたわけで。

滅多に使ってないサモア語が上書きするはずがない。

やっぱり言語は話してナンボなんですね。

 

よく言われますが、話す行為は即時的なものなので、頭の中の思考からその言語になっている必要があります。

つまり、英語で話すには英語で考えている必要がある、と。

日本語から訳してたら会話になりません。

特にサモア語は英語で習っているので、日本語で考えて→英訳して→サモア語訳なんて絶対無理です。

 

話す=頭の中からその言語になる、だからこそ言語能力が伸びるんです、きっと。

思えば、訓練所ではどの言語クラスでも、とにかく話してました。

「お前たち、授業終わっても英語以外で話すなよ」なんて言われたのが懐かしい。

おかげで当時のクラスメートは、いまだに日本語で話すと違和感があります。

お互い日本人なのに。笑

 

外国語を早く覚えるには、読んでも書いても聴いても不十分。

とにかく話す!

これに尽きる、というのが私の実感です。

 

...長々書いたわりに超当たり前な結論でごめんなさい。汗

So sorry.(英語)

Samahani sana.(スワヒリ語)

Faamalie.(サモア語。たしか。笑)

サモアの時が止まるとき

サモア人の大半は、割と敬虔なキリスト教徒です。

というのは何度か書いてますが。

宗派の内訳については、色んな数字があって、どれが本当か分かりません。

統計が信用できないのは、途上国あるあるですね。笑

 

ただ、ひとつ言えるのは、プロテスタントカソリック

これは多分どの数字にも矛盾しないし、誰も異論ないかと。

 

でもプロテスタント系にも色々です。

その中でも「会衆派教会が最大」というのが真実っぽい。

...って、「会衆派」とか言われても、よく分からなかったんですが。汗

Wikipediaには

「各個教会の教会政治において、会衆制とよばれる教会員の直接民主制に近い制度を採ることが特徴で、各個教会の独立自治を極めて重視する。」

って書いてあり、これが決め手になりました。

 

というのも、サモアはnu'uが非常に大切で。

nu'uはvillageと訳されるので、「村」と言うのが簡単ですが、田舎というニュアンスはなく、30~50世帯くらいの自治体を意味します。

この村ごとにマタイと呼ばれる首長(いわゆる酋長)がいて、村においては絶大な権力を持ちます。

マタイ会議で決まることは、その村の掟になりますし、賞罰や相互扶助において中心的な役割も果たします。

ちなみに国家元首も古い大マタイ4家族の血筋から選ばれるくらいで、昔ながらの地方自治が今も深く息づき、機能しています。

 

...となると、会衆派の「各個教会の独立自治を極めて重視する」というスタンスはピッタリ!

たいてい、教会は村にひとつで、村の人は大体みんな同じ教会に行くし。

しかも調べると、そもそもサモアに最初に来た宣教師が会衆派だったようで。

会衆派が最大派閥だと考えると、いろいろ腑に落ちます。

 

↓子供たちの部@村の教会。

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自治重視な会衆派なので、特有の教義や決まりは当然ないようですが。

サモアでは、朝晩のお祈り&歌、朝食・夕食前のお祈り、日曜朝の礼拝あたりは、かなり一般的なようです。

私の家は、マタイの家と隣接しているので、子供たちが声を張り上げて歌う聖歌が毎日聞こえてきます。

 

そして忘れてはいけないのは、日曜日の特別さ。

安息日なので、基本すべての店が休みですし、アルコールはご法度。販売は違法です。

外国人とはいえ、一応、私も見られないように家の中で飲みます。

村によっては、走る、泳ぐ等もNGだとか。

教会音楽以外は大きい音もNGらしいので、日曜は個人的にアコギ&パンデイロ禁止。ヘッドフォンしてエレキだけです。

 

以上に加えて、もうひとつ大切なサモア文化=昼寝。

赴任当初、サモア人は朝早く、夜も遅いので、どうしているのかと思いましたが。

シンプルに「昼寝」が正解でした。

これは暑い土地あるあるかもしれませんが、昼間は暑くて何もしたくないんです。

なので、お昼を食べたら、みんな寝ます。 ...食べすぎで眠いって説も。笑

市場でも陳列台の上(!)とか下で、工事してる人も日陰で、オフィスでも座ったまま寝ます。

街の露天商だって、商品テーブルの下で寝てたりします。

前にもチラッと書きましたが、アスファルトの上とか、どう考えても硬くて体痛くなるだろ!?って場所でも平気で寝るんです。

分厚い肉がクッション代わりなんでしょうか?笑

 

...ということで、日曜はこれらが重なって、14~15時前後に村が止まります。

朝から教会に行って、帰ってきてトオナイをお腹いっぱい食べて。

安息日だし、みんなで昼寝、と。

SF映画みたいに、急に誰もいなくなったんじゃないか?って錯覚するくらい。

...いびきが聞こえなければ。笑